札幌から行く 『温泉宿』

    温泉宿 「宿泊」 好きな札幌人。風呂、食事、部屋、もてなし・・・ 「湯宿をめぐる冒険記」 & 「雑多な温泉話」

    最北の温泉民宿

    玄関戸。左手の建物が宗谷パレス 稚内市富士見地区の住宅街に、1軒の温泉民宿がある。周辺の建物に埋没してしまいそうな、控えめな佇まいだ。
     どうやら、同地区に日帰り1施設、湯宿2施設があり「日本でいちばん北の温泉地」らしい。地図を広げれば「稚内市街地」「利尻島」「礼文島」の温泉地よりも、確かに北限に位置している。

     それでは、北限の温泉地の中で、最も北に位置する温泉施設はどこか。1位は湯元の「童夢」という稚内市の日帰り施設、2位は稚内船員保険保養所「宗谷パレス」という結果だった。
     ただ、温泉民宿という形態では『わが国最北』と謳って良いだろう。




    ツルツル湯、海鮮メシ

    小ぶりな男子浴槽
     宿泊者のみの小さな浴室は、家族風呂のような大きさ
     加水、加温、循環、塩素殺菌のいずれも行っているとの脱衣所掲示を見て、期待せず入浴したが、含ほう酸・重曹-強食塩泉という湯は、意外にツルツルする浴感で驚く。塩素臭は感じず、思い切って湯を口に含むとほんのり塩気とちょっとエグ味を感じた。成分総計25.27g/kgという源泉そのものは、どんな湯か、気になる。

    おいしい夕食
     鮮度の良い海の幸を生かした、家庭料理プラスアルファな美味い料理に舌鼓。食堂での夕食時、白米は炊飯ジャーからセルフで盛るのだが、その姿をチェックしたご主人がタイミング良く味噌汁を運んでくる。ナイスな仕事振りだなあ。



    清潔 こざっぱり

    清潔って、宿の基本
     糊の効いたシーツの上に寝転び、洗いたての布団カバーに包まれて、旅の疲れを癒す瞬間がたまらない。館内は掃除が行き届き、ノースリッパでも良いのでは、と思ってしまう。「宿の基本は清潔」という当たり前ながら実は難しいことを、きっちり実行している、実直な湯宿と感じた。

     一方、築年数を重ねた民宿ゆえにハードは簡素だし、客室の壁の薄さはご愛嬌。それでも、連休中とあって当方のような観光客で賑わい、夕食時は「美味いねえ」との声があちこちから聞こえてくる。

     ちょっとベタ褒めな理由は、これで2食付6,800円だから。こざっぱりした清潔な宿で、海鮮メシが美味い。感受性が豊かであれば「最北の温泉民宿に泊まった」という、稚内観光特有の達成感も味わえよう。
     「源泉かけ流し原理主義」から解き放たれれば、宿選びの幅がぐんと広がり、良宿に出会える可能性が広がる。「湯使いが良い」イコール「良い宿」とは言い切れない事実に、改めて気付かされた。もちろん、鮮度の良い湯に越したことはないのだが。

    朝食
    ・ホッケ焼、明太子
    ・切干大根
    ・たまご焼き
    ・漬物
    ・いか塩辛
    ・ほうれん草おひたし
    ・味付のり
    ・白米←炊飯ジャーから自分でよそう
    ・熱々みそ汁←席に着いてから持ってきてくれる

     飲物はあたたかいお茶。

    1階食堂 (写真は夕食時)
     7~8時半の間、自由に訪れて空いた席に座って食す。

    夕食
     宿指定の18時から、1階食堂で。

    1階男女浴室前
     風呂は男女別に内風呂のみ。

    →温泉分析書 (昭和52年7月)

    ・源泉名 「稚内ノシャップ温泉1号」
    ・含ほう酸・重曹-強食塩泉
    ・泉温38度、毎分150リットル
    ・pH7.7
    ・成分総計25.27g/kg
    ・蒸発残留物21.00g/kg

     【湯使い】 脱衣所掲示によると、加水、加温、循環、塩素殺菌を、いずれも実施している。

     宿泊客は夜通し入浴OK。日帰り受付はやっていないっぽい。

    外観
     稚内船員保険保養所「宗谷パレス」の斜め向かいに佇む温泉民宿。16室。

    右手にフロント(写っていない)、左手に食堂、階段奥に風呂
     玄関横のフロントで、所定用紙に個人情報を記入の上、鍵を渡され自力で2階客室へ。

    客室のドアを開けると、こんな光景
     客室のドアを開ける。

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