札幌から行く 『温泉宿』

    温泉宿 「宿泊」 好きな札幌人。風呂、食事、部屋、もてなし・・・ 「湯宿をめぐる冒険記」 & 「雑多な温泉話」

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    オーベルジュって何

     ユネスコ認定の世界自然遺産「知床」へほど近い清里町に、オーベルジュを謳う温泉宿がある。それが、ホテル清さとだ。
     そもそもオーベルジュって言葉は、フランス語で「宿泊設備を備えたレストラン」という意味らしい。日本オーベルジュ協会は「西洋料理を中心に食にこだわったレストラン機能を伴う宿泊施設」と定義づけている。

    オーベルジュの温泉宿
     自分なりに解釈すれば、洋食に力を注ぐ「食」がメーンの宿、かしら。

     和洋問わず美味い食事は大歓迎。ついでに温泉も味わえれば言うことなし。既に泊まった方々の評判も良いだけに、期待に胸ふくらませ投宿した。
     


    地元産こだわる和風フレンチ

    夕食オードブル
     神奈川県で修業を積んだ斜里町出身シェフが、地元の素材を活用した和風アレンジのフレンチを1品ずつ提供する。写真のオードブルは、牛もも肉(知床産)、真鱈(オホーツク産)、南蛮海老(道内産)となっており、他のメニューもオホーツク地方を中心に、必ず道内産の食材を使用しているのが印象的だった。旬の食材を使用するため、毎月メニューを微妙に変えている姿勢も好ましい。

     一般的な宿ならば、ワインクーラーを食卓に置き、その中に注文したワインボトルを入れて、あとは客が勝手にグラスに注ぐ仕組みなのだが、この宿は違う。ワインクーラーをレストランの隅に置き、当方の飲み具合をスタッフがチェックし、適時注いでくれるのだ。

     フレンチ=フランス料理と聞くと、「なんだか堅苦しい雰囲気の中、ナイフとフォークをかちゃかちゃさせて、おちょぼ口で食べるんだろう」などと、世のオトーサンは嘆くかもしれない。

    館内着で夕食している当方
     ホテル清さとは、ちゃんと箸を用意している。服装もこじゃれる必要はなく、館内着(上下のスウェットな感じ)でOKゆえに、気取らず食せると私感。たまにはこういう宴で、オカーサンを労うのもカッコ良いかも。



    湯も本格派だった

    男性露天風呂湯口 成分総計16g/kgの濃い食塩泉は、2006年(平成18年)に掘り当てた。1分間に480リットル湧き出る72度の湯は、熱交換器で温度を下げ、一切手を加えず湯船に注ぐ。あふれ出た廃湯は床暖房などに活用していると聞いた。
     湯は黄色く、口に含むとしょっぱい。鼻を近づけるとほのかにモールの香りが漂う。いやはや、食に続いて湯も本格派だな。
     大浴場の内風呂と露天風呂で、夜中も存分に味わえる。日帰り入浴を受け付けておらず、客室数も13室しかないから、1人占めできるチャンスが多い。

     さらに1階客室(6室)は、もれなく露天風呂がついている。
     部屋でごろごろ→ちょっと入るか→ドアを開けてざぶり→いい湯だった→部屋でごろごろ→ちょっと入るか・・・無限ループにおちいりそう。



    もてなしの心伝わる

    おしゃれな外観
     この宿の歴史をひも解けば、もともとは1992年(平成4年)、清里町営のホテルボリーニャとしてオープン。北海道建築賞(日本建築学会北海道支部が企画)を受賞するほど、こじゃれたデザインだった。その後、閉館してしまったが、知床第一ホテルが買収し、ボーリングして温泉を掘り当てた上で、2007年(平成19年)にホテル清さとへ生まれ変わったそうだ。

     食事も美味しかったし、何度も湯浴みした。田園風景にとけ込む建物だってこぎれい。それ以上に、いいなあ、と感じたのが接客だった。

     レンタカーを停めようとすると、すぐに飛んできた青年スタッフはさわやかだ。出迎えてくれた支配人は、アタック25(朝日放送)司会の児玉清氏のような温和な感じで、なんだか安心感を与えてくれる。
     この2人が夕食も朝食も対応してくれた。青年スタッフに聞けば、シェフと女性スタッフを含めスタッフ4人体制という。これで13室を切り盛りしており、忙しい時期を除き、客室の掃除も自分たちで行うそうだ。
     「大変ですね」との問いに、青年スタッフは「でも楽しいですよ」って。話ぶりから本当に楽しんで仕事しているのだなあ、と感じ、こちらまで嬉しい気持ちになってきた次第。
     帰り際、コック帽をかぶったシェフが挨拶とともに土産にパンをくれ、支配人、青年スタッフとともに玄関の外に出て、3人で当方を見送ってくれた。

    1階客室ベランダから庭を望む
     「いやー、すごく感じ良い接客だったね」。レンタカーを運転しながら呟くと、つれは言う。「うん、それにあのシェフの方、朝ね、玄関で客の脱ぎ散らかしたスリッパをちゃんと直していたの。普通、料理人って、プライドがあるから、料理以外の仕事って、手を出さないでしょ。だからね、この宿はスゴイと思う」。

     スタッフ1人1人が何役もこなし、一丸となって「もてなそう」という姿勢が伝わる、心地良いオーベルジュの湯宿だった。

     客室に露天風呂がついて、1人21,500円(るるぶトラベル3周年記念特別料金プラン→ネット予約)。定山渓や登別に佇んでいたら、30,000円以上はするだろう。そう考えると、お値打ちプライスとみた。

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    和定食
    和定食
    ・厚焼き玉子
    ・昆布巻き
    ・焼魚(鮭)
    ・しらすおろし
    ・山海の珍味盛り合わせ(3種)
    ・ご飯またはお粥
    ・網走湖産蜆の味噌汁
    ・漬物
    ・旬のサラダ
    ・季節のフルーツ
    ・ハスカップヨーグルト



    洋定食
    洋定食
    ・具だくさん季節野菜のミネストローネ
    ・スクランブルエッグ
    ・ローストベーコン
    ・行者にんにくウインナー
    ・トマトとチーズ
    ・旬のサラダ
    ・季節のフルーツ
    ・ハスカップヨーグルト
    ・斜里産小麦パン(斜里駅前 シャンボールの特注品)
    ・フルーツジャム

    レストラン

    ・フレッシュオレンジジュース
    ・興部町冨田ファーム産牛乳(香しずく)
    ・コーヒー(遙か森の珈琲)
    ・紅茶(オーガニックティー)
    ・トマトジュース(知床乙女)

     和or洋の選択は、夕食終了時にスタッフから尋ねられる。

     朝食時間は8~9時の間で指定。夕食と同じ1階レストランにて。

    テーブル
     当方指定の18時から、1階レストランで。

    夕食2
     和風にアレンジしたフレンチが、1品づつ提供される。お品書き付。

     ドリンクメニューは、ワイン、ビール、焼酎、ソフトドリンク。フルボトル15,000円というワインもあったりするが、ちゃんと手が届く価格帯も用意していた。注文したのは2種類。

    ・スパークリングワイン→ヴィニデルサ ドゥーシェ シュバリエ(375ml)2,200円
    ・白ワイン→ウンドラーガ ソーヴィニヨン ブラン(375ml)1,200円

     十勝ワインのトカップ(720ml、赤、白、ロゼ)2,200円、エビスビール(小瓶)600円、グラスワイン840円、清里焼酎(シングルグラス)各種650円~、コーラ420円などがお手頃プライス。

    男性露天風呂

    温泉分析書 平成18年12月19日

    ・源泉名 知床第一ホテル清里温泉
    ・湧出地 斜里町字上斜里815-8
    ・ナトリウム-塩化物強温泉
    ・72.4度
    ・pH7.8
    ・毎分480リットル(動力揚湯)
    ・無色澄明、強カン味、無臭
    ・成分総計16.49g/kg
    ・蒸発残留物16.21g/kg

     道立保健所シールによると、一切手を加えていない湯。

    外観
     道道摩周湖斜里線沿いに、宿が見える。13室。

    玄関前
     駐車場に車を入れようとしたら、スタッフが飛んできて誘導&荷物を持って玄関まで案内してくれた。

    玄関内
    お茶
     玄関で靴を脱ぎ、スリッパに履き替え、ロビーに座ったままでチェックイン手続き。ブルーベリーティーとパウンドケーキを供された。

    1階廊下
     支配人が運搬用カートで荷物を運んでくれつつ、今宵の客室までいざなってくれた。

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