札幌から行く 『温泉宿』

    温泉宿 「宿泊」 好きな札幌人。風呂、食事、部屋、もてなし・・・ 「湯宿をめぐる冒険記」 & 「雑多な温泉話」

     津軽海峡に面する下風呂温泉(青森県風間浦村)は、どの温泉宿も「硫黄泉」と「海の幸」をアピールする。どこに泊まろうか逡巡した末、まるほん旅館をチョイスした。

    老舗
     「ごめんください」。熟年の女性スタッフが出迎えてくれた。「あらあ~、北海道ですか、これはようごそ。女将さんはね、いま出張で浅虫温泉行ってでね、もうじき戻りますがら」。客室10室のこじんまりした家庭的な風情。なんか落ち着く。



    透明湯が白濁に

    透明な状態の湯船(男湯)
    底の沈殿物をかき混ぜると白濁する(女湯)
     大湯の源泉が注がれている湯は、透明な湯だ。アツアツなので加水した上でざぶり入ると、底に溜まっている沈殿物が舞い上がり、湯を白く染めた。なんてミルキーな色合いなのでしょう。タマゴの匂いがふんわり漂い、舐めると酸っぱさが広がる。
     男女とも家族風呂のような狭さながら、天井が高いので多少は開放感がある。とは言え、他の客と一緒だと照れる距離と感じ、誰もいないタイミングを見計らって、何度も湯浴みした。



    海の幸だらけ

     夕食は津軽海峡の海の幸が満載。肉は一切ないのが清い。
     出張から戻った5代目の女将さんが食事の説明をしてくれた。


    ◆新鮮な食材
    さしみ
    あわび鍋
     中トロっぽいマグロが美味い。ひょっとして大間産だったのでは。
     味噌味の鍋にたまたま手に入ったアワビが投入され、いやはや豪華な宴だ。


    ◆飽きないイカ尽くし
    イカフライ
    イカ焼き
    イカ酢味噌和え
     イカを生かしたメニューが並ぶ。一気出しゆえに「フライ」はアツアツではないものの、ほんのり温い。弁当に添えられる袋入りソースはご愛敬。家庭的な宿なのだ。それよりもリンゴをイカで巻いたフライに感心する。こういう調理方法があるのだな。美味い。
     「陶板焼」と「酢味噌和え」を含め、イカ尽くしでも飽きないメニュー構成と思う。


    ◆煮付、焼物、箸休めが揃う
    カレイ煮付
    ほたて焼き
    ほや
    かずのこ
     カレイの煮付け、ホタテ焼きと続き、ホヤ酢とカズノコマヨネーズ和えが箸休めに良い。


    ◆朝食でイカ塩辛を焼く
    朝飯
     朝食に供された固形鍋は、ホタテ貝殻の上でイカ塩辛と大根おろしを焼いて食べる。これ美味しい。聞けば、郷土料理のみそ貝焼き(みそかやき)をアレンジしたものらしい。イカ刺しもコリコリ。

    朝食
    ・塩辛&大根おろしを固形鍋で焼く
    ・いか刺し
    ・しゃけ焼き、梅干
    ・温泉たまご
    ・ほうれん草ゴマ和え
    ・もずく酢
    ・味付のり
    ・漬物
    ・白米(おひつ)
    ・味噌汁

    朝食会場
    コーヒー
     1階食事処で指定した7時30分から。落としたコーヒーあり。

    夕食
    部屋食
     18時から客室で。一気出し。

    浴槽
    温泉分析書 2002年(平成14年)3月6日
    ・申請者 風間浦村長
    ・源泉名 下風呂温泉(大湯再)
    ・湧出地 風間浦村大字下風呂字下風呂113
    ・64.0度(湧出量:測定不能)
    ・無色透明、塩味硫化水素臭
    ・pH2.4
    ・蒸発残留物2.792g/kg
    ・溶存物質3.2983g/kg
    ・成分総計3.6112g/kg
    ・酸性・含硫黄-ナトリウム-塩化物・硫酸塩泉(硫化水素型)

    湯治十戒
     日帰り入浴は受け付けていない。ただし、下風呂温泉の宿泊者を対象に販売している「遊めぐり手形」を活用すればOK(7~21時)。
     この手形のコンセプトは「宿泊のお客様に浴衣姿で温泉街を歩き、古くから残る温泉街の風情を楽しんでいただきたい」なので、「入浴のみのお客様にはご利用頂けない状態です。どうぞご理解下さい」(風間浦村商工会)としている。注意されたし。

    まるほん旅館
     下風呂温泉に佇む客室10室の温泉宿。創業127年(2014年現在)を迎える。

    入口
    玄関回り
     女性スタッフに歓待され、今宵の客室へ。

    2階ロビー
    2階廊下