札幌から行く 『温泉宿』

    温泉宿 「宿泊」 好きな札幌人。風呂、食事、部屋、もてなし・・・ 「湯宿をめぐる冒険記」 & 「雑多な温泉話」

    マンションに1泊

     九州を巡る2015年ゴールデンウィーク温泉旅も4日目に突入すると、旅館料理に飽きてくる。ならば素泊まりの上、外食や自炊すればイイ。
     指宿市観光協会によると、市内の宿泊施設はおよそ50軒(温泉なし含む)。「日本のハワイ」をアピールしており、リゾートホテルや高級旅館が中心なものの、民宿や湯治宿もある。思案の末、「たまには変わったところへ」と思い、ウィークリーマンション海水をチョイスした。

    マンション
     3月中旬の電話予約の際、和室に泊まりたいと伝え、旧館の和室(1人3,500円)に。当日チェックインするため、新館1階の食堂っぽいところへ行くと、シニアな女性が「旧館の和室は空いていません」という。「あれれ、和室で頼んだのですが」「それでは新館の和室が空いてます。新館は4,500円ですが旧館と同じ3,500円でよろしいです」。南国ならではのゆるい空気を感じつつ、まずは結果オーライだ。

     それにしても、ホンモノのマンションだ。単身赴任者や大学生にぴったりな1Kで、海沿いに佇むため窓外に鹿児島湾の海原が広がる。バルコニーに洗濯機を置くって、北海道ではあり得ない。些細なことに文化の違いを感じ、旅情が増していく。



    オーナー宅の浴室棟?

    風呂
     旧館の裏手、オーナーの住宅っぽい敷地内に浴室棟がある。積極的に宣伝しておらず、事前にググって個人の体験談を拝見していなければ、存在を知らなかっただろう。

    浴室ドア 実際に訪れると、やはり看板など案内は一切ないものの、浴室棟っぽい造りなので、分かる人には分かる風情。鳥やシーザーといった置物がそこかしこに飾ってあるB級チックな風情は面白い一方、水が入ったままの桶やシャンプー容器が散乱し、3つある浴槽のうち2つは使用している気配がなく汚れている。好事家でなければ及び腰になるかも知れない。

     からっぽの浴槽に源泉をドバドバ注いで入浴すると、肝心の温泉はしょっぱくて、うがいしたら風邪や歯槽膿漏が治りそうな味わい。15~16時頃に入浴したが、個人的な判断で入浴後は湯を抜き、ホースの水でさっと湯船を洗ってから退室する。普段の温泉宿では、何度となく入浴するのだが、どうにもオーナー宅の浴室を好意で提供してもらっているイメージを持ち、なんとなく気後れして最初で最後の入浴となるのだった。




    泊食分離 指宿の郷土料理を

     マンションの周辺は、砂湯会館やホテルがある指宿温泉の中心地。徒歩15分で指宿駅前まで足を運び、弥次ヶ湯温泉の女将さんオススメのさつま味で夕食をとる。これが大当たりで鹿児島名物を堪能するとともに、地元の常連客と一期一会な会話を楽しんだ。山の中の1軒宿ならば籠るしかないものの、指宿のような市街地に温泉が点在する都市型温泉地は、泊食分離に適しているのかも知れない。

    朝焼け
     海を望むマンションで一夜を過ごす。まるでオーナー宅の浴室で温泉をいただいた気分を味わい、繰り出した指宿の街で郷土料理に舌鼓を打つ。上げ前据え膳の温泉宿に3日連続で泊まった後だから、とても新鮮で楽しかった。

     朝は8時前にチェックアウトし、ガスト指宿店で朝食を食べたが、いま思えば北海道でも味わえるファミレスよりも、ジョイフルという大分県本社のファミレスにすれば、より地元を満喫できただろう。

     「新館」という名のマンションの横に、「旧館」と称したマンションがあって、その裏手に温泉浴室がある。大々的にアピールしておらず、こちらからスタッフに訊ねないと説明してもらえない確率が高いかも知れない。インターネットで個人の体験談を調べ、こういう温泉浴室があることを知った上で電話予約時にも入浴できるかどうか確認している。

    浴室棟
    右側が浴室棟
     マンションのオーナー宅(推測)に隣接する形で、浴室棟の出入り口がある。男女別じゃない。脱衣所1つの貸切風呂っぽい感じで、誰かが入浴していれば、かなり遠慮する感じだ。そもそも内鍵されたら突撃できないし。

    マンション外観
     指宿市の海岸沿いに新館(右)と旧館(左)があり、受付は新館1階のレストランスペースで行う。今宵は新館に泊まる。

    マンション玄関エレベーター
    玄関前玄関内

     2012年8月の夏休みに、1人で泊まった田島本館(鹿児島県・妙見温泉)。「お湯を含めて、すべて良し」と大いに気にいったので、3年後の2015年ゴールデンウィークにつれを伴ってリピートした。

    ロケーション
     3月中旬に電話予約した際、女性スタッフに、北海道からリピートする旨を伝えたところ、「まあまあ、そうですか。それでは2階の201号室が空いています。角部屋ですので、ゆっくりしてくださいね」。なんて感じ良い応対なのでしょう。

     当日チェックイン時に受付してくれた女性スタッフは、声の感じから電話応対してくれた人だった。「それでは202号室で・・・」というので、「あれっ、角部屋の201号室ではないのですか」と聞けば、「201号室は空いていないのですが、それでも大丈夫でしょうか」。
     ええっ、話と違うじゃないですか~、あなたから言いだしたことでしょう、などと、文句を言っても仕方ないので、「はあ、大丈夫です」とだけ伝え、自力で今宵の客室へ向かう。

     出鼻をくじかれた感はあるものの、結局のところ、ここをリピートして大正解だった。

    噴気孔から蒸気

    全景
     鹿児島県にそびえる栗野岳は標高1,102メートルの火山である。中腹に佇む南洲館の裏手には「八幡地獄」と呼ばれる噴気孔が広がり、白い蒸気が青空へ舞う。北海道の大雪高原山荘もこういうシチュエーションと思いつつ、「これは力強い湯を楽しめそう」と胸が躍るのだ。

    けむり
    遊歩道地獄