札幌から行く 『温泉宿』

    温泉宿 「宿泊」 好きな札幌人。風呂、食事、部屋、もてなし・・・ 「湯宿をめぐる冒険記」 & 「雑多な温泉話」

     「全国技能グランプリ・日本料理部門2位の料理」。こんな宿ホームページのうたい文句に誘われた。夕食・朝食ともに客室でゆっくり食せるのも魅力的。平日ならば1人客でも受け入れてくれ、宿泊料は10,650円。どんな塩梅だろうか。

    技を感じる旅館料理

    器の彩りも美しい夕食
     配膳された夕食は、奇をてらったメニューはなく、品行方正な「旅館料理」だった。だから、ぼんやり食べてしまえば「ありきたりですな」と受け止め、記憶に残らないかも知れない。

     よくよく目を凝らせば、もずく酢に添えられているキュウリに包丁細工が施され、後出しされた天ぷらの歯ごたえがサクサクだったりする。全体的に味付けがやわらかいので、年若い仲居に聞けば「化学調味料は一切使っておりません」という。食材は地のものを中心とした国内産にこだわり、すべて手作り。夕食メニューは月替わりらしい。

    さくさく天ぷら
     見た目の派手さはないものの、手間ひまかけている姿勢がうかがえ、心意気を感じる。贅をつくした料理を求めるならば、もっと宿泊料の高いプランを選ぼう。別注文で「和牛石焼ミニステーキ」1,050円も人気らしい。あと、地味に朝食が美味かった。

     そうそう、全国技能グランプリとは何か。主催団体は中央職業能力開発協会と全国技能士会連合会。昭和56年~平成14年まで毎年開催され、平成16年以降は隔年開催となっており、全国からいろんなジャンルの「プロ」が参加して技を競う。「日本料理」以外に「印章木口彫刻」「畳製作」「建築配管」「プラスチック系床仕上げ」など多数。渋い。

     この湯宿の料理長は平成11年の第18回大会で2位となった。それ以降も全国日本料理コンクール(日本料理研究会主催)、日本料理技能向上全国大会(日本全職業調理士協会主催)で、さまざまな賞を受賞している。宿リーフレットに「賞を取るのが目的ではなく、少しでも美味しいものをお客様に、との思いで頑張ってまいりました」と、料理長のコメントが記されていた。日々精進している謙虚な姿勢が素晴らしい。



    鳴子の真ん中 こじんまり

    昔は「不気味」と思っていた鳴子こけし。今は「かわいい」な。
     大正2年(1913年)開業だから、あと少しで100周年を迎える。23軒の湯宿がある鳴子温泉において、温泉街の中心に佇み、客室15室とこじんまり。フロントに申し出れば、共同浴場「滝の湯」の無料入浴券、「早稲田桟敷」の割引入浴券を入手でき、ぶらり温泉巡りも楽しめる。

    特色に乏しい風呂大崎タイムス(日刊・月2,100円)&河北新報 冬空ゆえに寒くて面倒だから、ずっと宿に籠りきりだった。ロビーで地元紙「大崎タイムス」を読み、飾ってある鳴子こけしを眺め、白い湯花が底に沈んでいる含硫黄-ナトリウム-硫酸塩・塩化物泉の透明な湯にざぶり。

     馬場温泉から3キロメートル余歩き、ようやく到着した時に出迎えてくれた若女将の笑顔が優しかったのが印象的。滞在中はいい意味でほったらかしてくれ、気兼ねなく過ごせたな。

    フロント周り


    朝食
    ・銀だら焼
    ・揚げ出し豆腐
    ・温泉玉子
    ・煮物(ふき、ちりめんじゃこ)
    ・漬物
    ・梅干
    ・焼き海苔(袋に宿名)
    ・白米(1人用おひつで)
    ・味噌汁
    ・グレープフルーツ、ぶどう
    ・自家製ヨーグルト

     指定した7時30分から。客室にお膳を持ってきてくれた。

    夕食
    部屋食
     指定した18時から客室で。後出しあり。

    のれん
     温泉分析書 昭和54年2月10日
    ・町有源泉下地獄混合泉(源泉名)
    ・鳴子町字新屋敷68-4、69-3(湧出地)
    ・殆ど無色透明、苦味を有し、硫化水素臭を放つ(知覚的試験)
    ・76.0度
    ・含硫黄-ナトリウム・硫酸塩・塩化物泉(硫化水素型)
    ・pH6.0
    ・1,037.6mg/kg(溶存物質総量)
    ・965,0mg/kg(蒸発残留物)

     宿ホームページによると、水道水で加水した湯を「かけ流し」している一方、湯船にたまった湯は、湯温を均一化&ゴミを除去する前向きな目的で循環している。塩素殺菌は一切していない。「いわゆる少ない源泉を補う為に行う循環・ろ過・加温ではございません」という。

     21時30分で男女入れ替え。夜通し入浴OK、朝9時半まで。
     日帰り入浴12時00分~15時00分まで、600円。

    外観
     鳴子温泉街の中心部に佇む15室の湯宿。

    玄関周り
     フロントで立ったままチェックイン手続きし、客室まで案内してもらう。

    客室玄関
     客室に通された。



    客室「東雲」
    6畳
     和室6畳。ウォシュレットトイレ、洗面台付。

    こじんまり客室玄関の周りに洗面台&ウォシュレットトイレ浴衣、タオル(宿名入り)、バスタオル、歯ブラシ有料ドリンクで満杯の冷蔵庫茶菓子客室景色
     一通り揃う客室。