札幌から行く 『温泉宿』

    温泉宿 「宿泊」 好きな札幌人。風呂、食事、部屋、もてなし・・・ 「湯宿をめぐる冒険記」 & 「雑多な温泉話」

     道南の長万部町が好き。観光地のように厚化粧していない、スッピンの街並みにココロが洗われる。「きれいだな」って。
     駅裏に広がる長万部温泉にハマった時期(2005~2008年)に、「丸金旅館」「旅館 章月」「長万部温泉ホテル」「ホテル四国屋」の4軒に泊まったが、すべて1人旅だった。あれから8年が経つ。記憶も薄れがちな2016年2月末、つれと再訪しよう。

    北斗
    看板
    駅
    観光案内所
     ワタシは函館出張の翌日、函館駅10時36分発の北斗5号に乗り、長万部駅11時59分着。待合室で座っていたら、つれは札幌駅10時22分発のスーパー北斗8号で、長万部駅へ12時35分にやってきた。

     長万部駅内に観光案内所が出来ていた。町公式キャラクターの「まんべくん」は、2010年から業者委託によるツイッターでの辛口発言で、ネット上の人気を集めていたが、第2次世界大戦に対する日本の責任を追及したツイートが炎上の末、わずか1年でツイッターは撤退。現在は、まんべくんというゆるキャラだけが残り、長万部町をアピールしている。

    温泉郷案内
    早期開業
     あの頃に比べ、長万部温泉の温泉宿は、福屋旅館が廃業して1軒減の7軒になった。それでも、これだけの温泉宿がしぶとく営業しているから嬉しい。

     「えっ、わざわざ長万部温泉に泊まるために、来訪されたんですか?」。観光案内所のスタッフと話をしていたら、こんなふうに尋ねられた。どうにも長万部は「素通りされる街」らしく、長万部温泉も仕事関係者かスポーツ団体といった商人宿の様相が強いらしい。「ええ、色艶が良く加工されていない食塩泉と、海の幸三昧の夕食を味わいに来ました」と答えた。
     地元では「フツー」と受け止められていることが、ヨソからは「スゴイ」と思われる。そういう着眼点を忘れずに旅したい。

     まずは昼食。そしてコーヒータイムの上で、今宵の温泉宿へチェックインする。

     道南の長万部町に大学がある。東京理科大基礎工学部がそれだ。

    正門
     1987年(昭和62年)の開校で、新入生300人が全寮制で1年間だけ教養科目を学び、2年生になると野田キャンパス(千葉県)に移る。北海道の大自然の中で、豊かな人間性を育む、という教育理念らしい。

    大学外観
     車を駐車場に停めようとすると、警備員がやってきて「どうしましたか」と呼び止められた。「あのー、校舎を見学したいんです。こちらの建物は美しくて、日本建築学会から賞をもらったと聞いていますので」。
     すると、不審者を見る目つきだった警備員の態度は軟化し、「そうですか。それでは受付した上で、どうぞ。ただし、校舎内はあまりうろつかず、外観を眺める程度にして下さい」。

     本来、大学というところは、誰でも自由に出入りできると考えていたが、長万部の高台に佇む全寮制大学という特殊環境ゆえに、しっかりした警備体制なのだろう。

    校舎内
     夏休み期間中で、ほとんどの学生は帰省中。

    大学食堂
     大学食堂で安いランチを食べるのが楽しいが、ここではメニューを見かけなかった。どうやら、朝食(洋食or和食)、昼食(6種類)、夕食(肉料理or魚料理)を寮生活を送る学生専用に提供しているっぽい。そうか、部外者は対象外のようだ。

    太平洋が見える
    校舎
     30万平方メートルのキャンパスは、手入れが行き届いている。

    男子学生寮
     学生寮に「源泉かけ流し」を謳う共同浴室がある点に興味がそそられる。長万部町所有の源泉は大学からかなり離れた場所にあるそうで、天然ガスと温泉が湧いており、ガスは町内の家庭に供給され、温泉は学生寮に送っているもよう。

     入浴するためには、自ら入学するか、身内を合格させて親族として面会に行ったついでに湯をいただくしかないかな。

     この後、洞爺湖までドライブして、洞爺駅にレンタカーを返し、JRで帰札した。

     年度末って、なんだかんだで慌しいなあ。そんな日々を過ごしていたところ、3月29~30日(土~日)は休めそうな感じ。ちょっと一息入れましょうと、「男の1人旅」を思い立ちました。

    長万部駅前の看板
     著名な温泉地でも観光地でもない、男が1人で「雑踏に紛れ込みながら雲隠れ」したいとき、直前予約でも宿泊OKなところ・・・ 札幌から特急で2時間ちょい、住宅街に湯宿が8軒佇む「長万部温泉」にしようかな。これまで自腹で泊まった「丸金旅館」「昇月」「長万部温泉ホテル」以外に、まだ見ぬ宿を体験しましょう。

     28日(金)正午、つまり宿泊したい前日に予約の電話を長万部温泉郷の湯宿へしたところ、
    ・ホテルあづま→空いてないです、申し訳ない
    ・福屋旅館→空いてないです(すぐに電話がちゃ切りされた・・・)
    ・温泉旅館もりかわ→合宿(高校)が入っているので、すみません

     あれれ、3軒も連続して断られると焦ります。長万部温泉郷の湯宿は、気軽に泊まれると高をくくっていたのですが。
     4軒目に電話をかけた「ホテル四国屋」は、年配男性による感じ良い電話応対で、2食付宿泊OKになりました。ホッとしました。

     ちなみに、同じ町内の「二股らじうむ温泉」は、きっと日帰りで楽しむ分には良いのかな、と思いつつ、怖いもの見たさで宿泊も興味津々な感じです。

    内浦湾を眺める
     お日柄もよく、海を眺めるには絶好の週末。

    早々に宿へ
     昨年(平成18年)9月以来、この温泉地にやって来ました。

    8軒の湯宿が立ち並ぶ
     JR長万部駅から徒歩圏内で、細い道に並ぶ湯宿の佇まいは、商人宿や駅前旅館といった風情。「ちょっと週末、1人で泊まりにいきたいな」と思い立った時、過去に泊まった丸金昇月は気軽に受け入れてくれ、湯質、食事、価格もまずまずと感じた点が、リピートする理由です。

    あやめ公園看板
     長万部川に架かる東橋を渡ると、河川敷沿いに「あやめ公園」があります。時期であれば、文字通り、花咲くあやめが拝めるのでしょう。私の目には、整備されたパークゴルフ場が映るばかりです。

    長万部町学習文化センター懐かしい雑誌たち
     長万部温泉街に向かって歩き、町学習文化センターに寄ると、「図書館フェスティバル」(9月12~17日)が企画され、昭和30~40年代の雑誌が展示されていました。表紙を眺めるだけで、うっとりな感じ。司書に声をかければ雑誌の閲覧も可能でした。

    コスモス写真中央より下の雲は、いわし雲かな
     道端を歩いていると、コスモスがあちこちで咲いていました。空を見上げると、いわし雲かな。例年にない暑さだった北海道にも、秋の気配が忍び寄っています。