札幌から行く 『温泉宿』

    温泉宿 「宿泊」 好きな札幌人。風呂、食事、部屋、もてなし・・・ 「湯宿をめぐる冒険記」 & 「雑多な温泉話」

    売り地
     買いたい、建てたい、住みたい、籠りたい、なんて妄想をつまみに缶サワーを飲む。ささやかな幸せだ。

    海を魅せる湯宿

    客室からの景色
     「オーシャンビュー」という売り言葉を良く聞く。「ウチの宿から海が一望できるよ」って。それで足を運んでみると、確かに海が見えるのだが、市街地のごちゃごちゃした建物のはるか向こうにチラリ拝める程度だったりするケース、無きにしも非ず。

    客室からの景色
     でも、海の別邸 ふる川は違う。宿の目の前が太平洋で、遮るものは何もない。客室窓辺のチェアに座りながら、海を拝めるのが嬉しい。客室の窓際に、ちょっとしたカウンターがあり、ロウソクが置いている。夕食後、客室の照明を消してロウソクの炎に包まれながら、アルコールをちびり飲みつつ、開け放した窓から「ざらら、ざっぱん♪」と奏でる波の音に耳を傾けていると、俗世を離れた気分になる。客室にテレビがないから、なおさらそう思う。

     実は「座りながら海を拝める」という点が重要なポイントと指摘したい。海や渓谷に沿った湯宿が「眺めが良いですよ」と謳っても、窓辺に立たないと景色は楽しめず、客室縁側のイスに座っちゃうと、ナイスな眺望が見えなくなったりする状況に何度も出くわしたからだ。

    テラス
     客室に限らず、お天道様の下に整備されたテラスで、太平洋を楽しめる。足湯や瞑想室も整備されているのが特筆だろう。

    太平洋と一体化する露天風呂
     海辺に面した露天風呂は、寝湯になっており、湯船につかると浴槽の湯と太平洋が一体化しているように見える。

     とにもかくにも「海を魅せる」ための、こだわり設計を強く感じることができた。




    ロビーラウンジに集う

    2階から望む それなりな規模の湯宿には、ロビーと称する空間がある。ただし、そこでくつろいだ経験は、正直言って記憶にない。「やっぱり客室が1番落ち着くね」と受け止めていた。

     ところが、この湯宿のロビーはなんだか心地よい。吹き抜けの天井で開放的な上、配置しているチェアが不統一で、さまざまな形状が揃っているのだ。足を運ぶたびに「次はあのチェアに座ろう」「今度は窓際が良いな、いやいや囲炉裏のところにしようか」なんて、選択肢が広がり飽きない、という点が気に入った次第。
    食前酒
     客がロビーへ足を運ぶ工夫として、この湯宿はチェックイン時にウェルカムドリンクを提供するとともに、夕方17~19時は「食前酒カフェ」と称し、ちょっとしたお酒とおつまみを提供。夕食後のデザートはここで食すほか、24時まで「カフェバー」の機能を有する。早朝6時からはコーヒーと牛乳が飲める。ロビーをフル回転させ活用していた。




    いい感じにリノベーション

    01外観
     北海道都市職員共済組合が2008年(平成20年)春まで運営していたホテルビュラメールそれを買い取った定山渓温泉(札幌市)のぬくもりの宿ふる川が、9月1日リニューアルオープンした。外見は手を加えておらず、いかにも公共施設チックなセンスなのだが、中身は良い感じにこじゃれてしまった。

     夕食は白老牛、毛ガニ、ドナルドサーモン・・・ 「食材王国」と謳う白老町にあって、地元のものをこれだけ揃えてちゃんと提供している初めての湯宿ではないか。

     和室8畳(2人泊)は、1人18,000円+休前日2,100円=20,100円。8月末のプレオープンに泊まったので、1人14,000円なにがしで泊まれた。

     「海がきこえる湯宿」として、20,000円超えでもまた足を運びたい。近づいちゃいけない人は、源泉かけ流し原理主義者とテレビっ子かな。たまには、テレビとインターネットを捨て、宿へ行こう。そうそう、ケータイ電話もいらない。波の音が最高のごちそうだから。

    朝食
    ・イカ刺 タラコ おひたし きゅうり漬 梅干 肉じゃが イカ塩辛
    ・あんかけ豆腐
    ・白米(ちゃわんで一膳づつ)
    ・味噌汁

    しいたけ
    ・しいたけバター焼

    カレイ
    ・焼カレイ(焼き立て後出し) 玉子焼

    食事処
     夕食、朝食ともに1階食事処で。当方指定の8時から。

    マシン
    コーヒー、牛乳
     朝カフェたいむ(6時~)は、ロビーラウンジでコーヒーと牛乳を無料で飲める。

    食事処出入り口
    夕食
     当方指定の18時から、1階食事処で。1品づつ供される。お品書きに「八月の献立 虎杖浜の夏」と記してあった。月単位でメニューを変更するらしい。

    男性露天
    温泉分析書 平成22年8月2日
    ・源泉名 住友8号井(白老町虎杖浜206の1)
    ・泉温48.7度
    ・無色 澄明 僅かにカン味 無臭
    ・pH8.2
    ・蒸発残留物2.014g/kg
    ・成分総計2.225g/kg
    ・ナトリウム-塩化物温泉

    内風呂から露天&太平洋を望む
     湯船によっては、循環・塩素殺菌。冬期間は加温する見通し。

     入浴可能時間は14~翌11時。ただし、露天風呂とサウナは23~翌4時まで不可。

     日帰り入浴はやっていない。

    チェアと海
     1階ロビーラウンジ前に、日当たりの良いウッドデッキがある。太平洋を拝みながら、「老人と海」(ヘミングウェイ著)を斜め読みするなんて、とりあえずカッチョ良いかも知れない。

    玄関前の看板
    外観
     白老・虎杖浜の高台に佇む閉館したホテルビュラメールが、生まれ変わった。

    玄関前
    フロント回り
     フロントで立ったままチェックイン手続き。ロビーラウンジに通され、ウエルカムドリンク。



    ロビーラウンジ

    ロビー
    茶菓子
     お茶と菓子を食した後、スタッフに導かれ、今宵の客室へ。

    箱がデカイ
     夏期限定販売の駅弁。2段重ねになっており、上部に一口サイズの「寿司」がある一方、下部の「具がのった御飯」に秘伝のだし汁をぶっかけて「茶漬」として食せるのが大きな特色だ。

    箱にお品書き
     箱を開けると、メニューと食べ方が紹介されている。道内産にこだわっていた。

    駅弁2
     これが下部の「具がのった御飯」。十分美味しいが、欲を言えば、秘伝のだし汁が常温ではなく、キンキンに冷えていたら嬉しいと私感。秘伝のだし汁は、購入した際に冷蔵庫から別途提供してくれるとか、そういうアイデアはいかがだろうか。札幌は例年になく暑いから、余計にそう感じた。

     スーパー北斗12号は、登別駅13時25分着。改札をくぐると、既に送迎してくれる温泉宿スタッフが直立不動で待っていてくれた。

     道南の長万部町に大学がある。東京理科大基礎工学部がそれだ。

    正門
     1987年(昭和62年)の開校で、新入生300人が全寮制で1年間だけ教養科目を学び、2年生になると野田キャンパス(千葉県)に移る。北海道の大自然の中で、豊かな人間性を育む、という教育理念らしい。

    大学外観
     車を駐車場に停めようとすると、警備員がやってきて「どうしましたか」と呼び止められた。「あのー、校舎を見学したいんです。こちらの建物は美しくて、日本建築学会から賞をもらったと聞いていますので」。
     すると、不審者を見る目つきだった警備員の態度は軟化し、「そうですか。それでは受付した上で、どうぞ。ただし、校舎内はあまりうろつかず、外観を眺める程度にして下さい」。

     本来、大学というところは、誰でも自由に出入りできると考えていたが、長万部の高台に佇む全寮制大学という特殊環境ゆえに、しっかりした警備体制なのだろう。

    校舎内
     夏休み期間中で、ほとんどの学生は帰省中。

    大学食堂
     大学食堂で安いランチを食べるのが楽しいが、ここではメニューを見かけなかった。どうやら、朝食(洋食or和食)、昼食(6種類)、夕食(肉料理or魚料理)を寮生活を送る学生専用に提供しているっぽい。そうか、部外者は対象外のようだ。

    太平洋が見える
    校舎
     30万平方メートルのキャンパスは、手入れが行き届いている。

    男子学生寮
     学生寮に「源泉かけ流し」を謳う共同浴室がある点に興味がそそられる。長万部町所有の源泉は大学からかなり離れた場所にあるそうで、天然ガスと温泉が湧いており、ガスは町内の家庭に供給され、温泉は学生寮に送っているもよう。

     入浴するためには、自ら入学するか、身内を合格させて親族として面会に行ったついでに湯をいただくしかないかな。

     この後、洞爺湖までドライブして、洞爺駅にレンタカーを返し、JRで帰札した。

    嵐山光三郎 思い入れの湯宿へ

     作家の嵐山光三郎さんは、八雲町を「かすみ草が似合う北の町」と評し、いたく気に入っている。著書「日本百名町」(光文社知恵の森文庫)を拝見すれば、同町の小さな寿司屋で食したホタテやホッキが、美味いのに安すぎる経験から、好きになってきたようだ。銀婚湯に宿泊し「自然の渓谷を思わせる仙境の湯である」と、さらり記している。

     別の著書「温泉旅行記」(ちくま文庫)、「日本一周ローカル線温泉旅」(講談社現代新書)では、町営おぼこ荘に泊まって、町から運営委託を受けている女将さんを「クッキング悦っちゃん」と呼び、料理の達人と評していた。旦那さんは町内で鮮魚店を経営しており、「亭主が魚屋なんだから、おぼこ荘の魚料理がしぶとい筈だ」と嬉しそう。

     これら文章から、嵐山さんはおぼこ荘への思い入れが強いと見た。誰が泊まってもお褒めの言葉しか出ない銀婚湯ではなく、おぼこ荘に肩入れする辺り、ナイスな感性と膝を打つ。

     平成17年(2005年)9月、熊石町との10月合併を前に民営化され、運営委託を受けていた女将さんが引き継いだ。「食」と「湯」が良いらしい湯宿は、車で行かないと不便な山の中にある。レンタカー利用でようやく宿泊がかなった次第。



    囲炉裏で美味い

    食事処1
     この宿、夕食の食事プランが2種類ある。「和食膳」と「囲炉裏料理」だ。囲炉裏料理をチョイスした私は、専用食事処(掘りごたつ)で、山海の幸を炭火で焼きつつ、名古屋コーチンの鍋を食した。おお、これは美味い。和食膳より少々お高いのだが、それでも2人で泊まって2食付1人9,980円である。

    焼き物
     焼物のメニューは八雲牛やアワビも盛り込まれ、鮮度も抜群。湯宿でつれとともに囲炉裏を囲ってバーベキューみたいな感覚で、なんだか楽しい。こういう食し方って、シンプルゆえに、また泊まって食べたいな、と思うし、飽きたら「和食膳」をチョイスすれば良い。湯宿のメニューって「旅館料理」一辺倒で、いつ泊まってもワンパターンな食事内容が多い中、ここは選択肢があるので、リピートしようと思わせる底力がある。



    味噌汁色の湯 時々ミンミンゼミ

    ふろふろ
     鉛川沿いの露天風呂は、味噌汁色のような「ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉」に満たされている。内風呂の湯は青緑っぽい感じで、自然って不思議だな。

     川のせせらぎをBGMに、ぬるめの露天風呂でまったりのんびり。時折、セミの声も聞こえる。あれ、道南のセミはミンミンゼミなのだな。そう言えば、前日泊まったきむら温泉旅館でも、背後の山々から「みーんみんみんみんみん~♪」の合唱が聞こえてきたし。なんだか本州みたいな「由緒正しきニッポンの夏」な気分を味わえた。

     元「公共の宿」だけに、ハードに温泉情緒は感じないものの、こぎれいで清潔感があり、素足で館内を歩ける点も良い。やっぱり「食」と「湯」が良くて、1人当たり福沢諭吉1枚でおつりが来るお得感。全国の湯宿を泊まり慣れた嵐山さんが気に入るのも、なんとなく分かる気がした。常宿にしたい、なんて久々に思ったりする。

    朝食
    ・白米(おひつ)
    ・ホタテ貝味噌汁
    ・とろろ
    ・いか松前漬
    ・温泉玉子
    ・サケ焼
    ・煮物
    ・ポテトサラダ
    ・味付のり

    飲み物
     飲み物は、冷水、お茶、ホットミルクに加え、コーヒー、レモンティー、玄米緑茶。

    食堂
     1階レストランで、7時半~8時半の間に食す。

    夕食
     電話予約時に囲炉裏料理コースを選んだ。

    食事処
     専用の1階食事処(掘りごたつ)で当方指定の18時から。

    ・生ビール、瓶ビール(大)500円
    ・各種サワー、カクテル400円
    ・おとべワイン(赤、白)360ミリリットル980円
    ・各種ジュース150円

     ほか、冷酒、焼酎、ウイスキーなどグラスで提供

    鉛川沿いの男性露天風呂
    温泉分析書 平成17年3月14日
    ・申請者 八雲町長
    ・源泉名 おぼこ荘3号井、5号井
    ・湧出地 八雲町鉛川622-2
    ・泉温45.5度
    ・毎分600リットル 動力揚湯
    ・pH6.4
    ・知覚的試験 微淡黄色 澄明 弱炭酸味 ほとんど無臭
      →試験室では微淡黄色 澄明黄褐色の沈殿有り ほとんど無味無臭
    ・蒸発残留物2.254g/kg
    ・成分総計3.831g/kg
    ・ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉

     湯使いは加水のみ。夜中も入浴OK。朝8時30分で終了。掃除した上で、日帰り入浴11~21時。450円。

    看板
    外観
     国道277号から横道に入り、鉛川沿いに今宵の温泉宿が見えてきた。もともと八雲町営だったが、2005年(平成17年)に民営化されている。客室19室。

    フロント前ロビーロビー売店 フロントで受け付けし、客室まで案内してもらう。


    客室前廊下
     そう言えば、玄関で靴を脱いだものの、スリッパはなく素足で歩く。

    木製の看板
     八雲町(旧・熊石町)が管理している、無人の露天風呂に行った。冬期閉鎖らしい。

    海の幸を求めて

     「夏」は「海」である、「海」は「魚介類」である、ゆえに「夏」は「魚介類」である。

     下手くそな3段論法は置いといて、いやはや新鮮な海の幸を腹いっぱい食べたいな。温泉にざぶり浸かった後、ビールをグビグビ飲みつつ、コリコリした刺身に舌鼓。ああそうだ、ウニもいい、てんこ盛りで頂戴したいものだ。しかも宿泊料が安かったら、言うことないな。

     北海道の夏の時期、ウニを食らえる湯宿を探した結果、島牧村・きむら温泉旅館に出くわした。参考資料は「北の漁師宿」(川嶋康男著、響文社2003年発行)。「夏場は朝イカやヒラメ、ウニ一色になる。ウニは生ウニからウニ汁まで盛り沢山」の記述を発見したからだ。漁師が経営しているとあって、海の幸三昧を味わえそう。

    宿の前に国道229号、そして日本海
     さっそく予約の電話をかけると、電話口にシニアそうな女将さんが出た。その日は空いているという。

     「着くのは4時かい」
     「いいえ(なんで4時に限定?)、もっと早くおじゃましたいのですが」
     「オレ、大変だから4時じゃなきゃ無理だ」

     ざっくばらんな受け答えに「浜の母さん」を思い描く。

     「あのー、今時期(6月下旬~8月下旬)は(島牧村の前浜で)ウニが獲れると聞いているので夕食が楽しみです」
     「ウニ?(時化で)獲れないこともあるからね」

     それはそうだ。なんて正直なのだろう。商売っ気を微塵も感じさせない応対だ。「ウニ、本当に楽しみなんですよ(だから貴宿を選んだ)」とプッシュすると、「そしたら(ウニ)取っとくわ」

     客にペコペコせず、裏表のない応対に、少々たじろぎつつ、どんな宿か、わくわくしてきた。浜の母さんはどんなもてなしなのか、そして、ウニにありつけるだろうか。

    朝食全景
    ・白米
    ・味噌汁
    ・ホッケ焼
    ・蒸しウニ
    ・小魚つくだに(自家製)
    ・きゅうり漬
    ・味付のり

    生うに(2人分)
    ・おまけでいただいた生ウニ(2人分)


    1階食事会場
     夕食、朝食ともにこんな感じの食事会場で食す。

    夕食全景
     当方指定の18時から、1階食事会場にて。瓶ビール(大)500円。

    青白い湯面

    温泉分析書 (平成21年1月31日)
    ・源泉名 モッタ海岸温泉旅館
    ・湧出地 島牧村栄浜362-1
    ・泉温53.1度
    ・毎分130リットル(動力揚湯)
    ・無色澄明 カン味 微弱硫化水素臭
    ・pH6.9
    ・ラドン(Rn)1.204マッヘ単位/kg
    ・蒸発残留物9.407g/kg
    ・成分総計10.12g/kg
    ・ナトリウム-塩化物泉

     入浴は夜通しOK。日帰り入浴(受付時間は不明)は400円。

    外観
     島牧村、国道229号&日本海に面した宿。

    玄関内
     玄関を開けると主人が出てきて、2階の客室まで案内してくれた。荷物は自分で運ぼう。

    客室前
     廊下を歩き、引き戸を開けると、それが今宵のくつろぎルーム。



    客室

    2間続き
    シンプル
     2間続きの客室に通された。テレビ、扇風機あり。冷蔵庫は無い。

    タオル、バスタオル、浴衣
    お茶&ポット
     歯ブラシは無い。

    客室からの景色
     客室の窓から、日本海が見える。



    共同洗面台、共同トイレ(男女別)

    洗面台
     廊下に洗面台が3つ。

    男性(小)
    男性(大)
     男女別にトイレあり。簡易水洗。

    閉館を告げる張り紙
     2008年(平成20年)10月30日を最後に、閉館していた。

    外観
     国道37号沿いに佇む伊達市の1軒宿「観照園」は、自家源泉の湯を味わえた。ドライブインも兼ねており、釣り船も貸し出していたそう。湯宿と言うよりは「釣り人の宿」といった感じだ。

     宿の予約サイト「トクー」に登録していた宿で、素泊まり3,000円なにがしとリーズナブルゆえに、いつか泊まってみたいと思っていたこともあった。

    湯小屋
     敷地内に湯小屋がある。

    ・1983年(昭和58年)に掘削
    ・地下1,200メートルからポンプでくみ上げ
    ・毎分400リットル
    ・泉温45.5度
    ・食塩泉
    ・pH8.1
    ・溶存成分8.371g/kg

     緑色っぽい食塩泉で、男女別にこじんまりした浴室を完備していたらしい。

     記憶が確かならば、ある日「トクー」をみた際、「現在、温泉ではなく真湯を使用している」旨の告知を拝見したような気がする。これって、ポンプの故障なのか、それとも・・・ 今となっては調べようがない。

    売り地
     売値はいくらだろう。

    大盛りうに丼 2,700円

    大盛りうに丼2,700円
     ウニ折2枚に、白米、ほたて味噌汁、漬物がつく。ウニにみょうばんを混ぜているが、気にするほどでもないと私感。ウニの甘みを十分に味わえた。

     うに丼1,500円(ウニ折1枚)を含め、11~14時限定メニュー。品切れごめん。

    お知らせ
     北海道は、四季を通じてどこかで必ずウニが獲れているらしい。道の駅あぷた(洞爺湖町)では、道内各地から旬のウニを取り寄せ、春夏秋冬いつでもウニ丼を提供しているのが特色だ。ちなみに洞爺湖町が面している噴火湾は、ウニがあまり獲れないと聞く。

    食堂
     レジで前払いすると、スタッフに席まで誘導される。

    看板
     大盛りうに丼を1つだけ注文し、つれと分け合って食した。それを見たスタッフが「取り皿持ってきますよ」と気を利かせてくれたのが嬉しい。
     2人で入店して1つしかオーダーしないって、個人経営な食堂では申し訳なくて(恥ずかしくて)絶対しないのだが、道の駅ならば許されそうな気がする。事実、なんら問題はなかった。この敷居の低さが繁盛の秘訣かも知れない。多くの客で賑わう店内を見渡しながら、そう感じた。

     ことしの札幌の夏は、これまでにない暑さで、雨が目立って湿度も高い。近い将来、本州のように自宅にクーラーが必需品になりそうな予感。ひょっとして「地球温暖化」による影響、などと素人考えしてみたりする。

     とにかく、こんなに暑くちゃかなわないのは確か。そこで短いオトナの夏休みに、避暑を兼ねてどこか湯宿へ行きたい。うんうん考えた結果、魚介類が味わえる海の宿と、川のせせらぎを聞きながらまったり湯浴みできる山の宿が良いな。

    洞爺駅
     札幌9時19分発の特急北斗8号に乗り、洞爺駅11時4分着。駅レンタカーを借りた。ここから黒松内町を通って島牧村、そして八雲町を2泊3日で巡ろう。

     JR洞爺駅前に、2年前の北海道洞爺湖サミット記念碑があった。あの時の主要テーマは「地球温暖化」だったはず。いろんな国の、いろんな人々が話し合った成果が実を結ぶ日は来るのだろうか。流れる汗を拭きながら思った。

    温泉宿で鉄板焼

     温泉宿でメシと言えば「なんちゃって会席料理」が一般的かな。既製品の先付からはじまり、刺身があって、ちょいと冷めた天ぷらはご愛敬、そして仲居さんがチャッカマンで火をつけたちっちゃい鍋物・・・定番というかワンパターンというか、もはや「旅館料理」という1つのジャンルと言って良いだろう。

     もちろん、宿泊料が高まると「なんちゃって」の冠は外れ、美味い「会席料理」を味わえるケースに出会える。ただし、美食家に言わせれば「ホントに美味いものを食いたければ、宿じゃなくて料理専門店に行かなきゃ」となるのだが。

    ロース(レア)
     それはさておき、鉄板焼きである。ここ翠山亭倶楽部定山渓では、鉄板焼き専用のグリルダイニングがあり、カウンター越しにシェフが客の目の前で黒毛和牛や魚介類を焼き、ガーリックライスも作ってくれる。その手付きは鮮やかだ。「この食材はどこで獲れたのですか」などとシェフとの会話も弾む。

     なかなかどうして、街中の鉄板焼きステーキレストランと肩を並べる味わいと風情ではないか。温泉宿で鉄板焼きという組み合わせが新鮮で面白い。正装する必要はなく作務衣姿でくつろげる。デザートと食後酒は、グリルダイニング隣の静かなテーブルに席を移して楽しむという演出もいい感じだなあ。
     「鉄板焼きはちょっと・・・」ならば、和食懐石コースを選ぼう。「会席」ではなく「懐石」である。ちょっとした温泉宿の夕食レベルの朝食から察するに、さぞや美味しいことと思う。



    そこはかとなくラグジュアリー

     もともとは日本興亜損保の企業保養所だった。定山渓温泉の第一寶亭留グループが大幅リフォームした上で、2007年(平成19年)11月オープン。客室数14室とこじんまりしており、館内はそこはかとなく高級感が漂う。

    バーラウンジ
     客室洗面所のシャンプー、リンス、ソープは「ロクシタン」というフランス製だったり、冷蔵庫やバーラウンジでの飲み物も無料だったり、サービスも上々。スタッフも感じ良かったな。ちゃんとゲストとして「ていねい」に接してもらったし。

    檜風呂
     客室の内風呂、大浴場ともに温泉。湯使いはイマイチ分からぬが、透明な食塩泉は無臭で、ほんのり苦味の混じった塩分のせいか、湯上がり後もぽっかぽか。ひょっとしたら、夏場で気温が高いせいかもしれないが。

    光岡自動車
     帰りは光岡自動車で近くのバス停まで送迎してもらった。

     これで和室1人32,550円(夕食の鉄板焼コース15,000円含む)。宿ホームページからネット予約すると、チェックイン14時、チェックアウト12時とのんびりできる。



    絶対失敗したくない旅にチョイス

     バーラウンジと客室冷蔵庫の飲み物が無料な点は、太っ腹と感じた。それだけに、夕食時の飲み物も無料にしてほしい、などとワガママな気持ちが芽生えた。どうせ夕食時に頼むドリンクは、バーラウンジと客室冷蔵庫で供されるビールやグラスワイン程度で良いのだから。
     夕食時に「お代わり頼んだら、お金かかるな」などと貧乏臭い考えをしてしまい、遠慮がちに飲んでしまったゆえ、思いっきり楽しめなかった私は、楽しみ下手に他ならない。修行が足りぬようで。

    この湯宿では「花」を生けないのがこだわり
     「もし可能であれば、夕食時の飲み物も無料だったら嬉しいです。追加料金がかかると思い、緊張しましたから」旨のメッセージを、客室に置いてあったアンケート用紙に記して、チェックアウト時にスタッフへ渡した。いま思えば恥ずかしい。「それを実現するためには、宿泊料はもっと値上げせざるを得ない」のだから。はたまた「無料だとガンガン飲んじゃて、夕食を美味しく味わうペースが乱れ、酔っ払い客で騒々しくなる」を回避する対応なのかも知れない。
     そんな子どもじみたアンケート回答に対し、後日宿から「ご意見ありがとうございました」旨のハガキが届いた。なかなかしっかりした応対に、たとえ形式的なハガキであれ、この湯宿の誠実さを感じたな。

     そうそう、この湯宿は中学生以上しか泊めない。小学生以下はお断りなのだ。いやはや「オトナの湯宿」ということで、少々お高くても良いから絶対失敗したくない旅にしたい、というご夫婦やカップルはぜひどうぞ。

    朝食全景
    【飲み物】
    ・余市倉島牧場産牛乳
    ・北王よいちのつがるの林檎ジュース
    ・千歳玉置農園の有機野菜の青ジュース
    【刺身】
    ・市場からの新鮮な白身魚(ヒラメ)
    ・紅立 花穂 山葵
    【火の物】
    ・噴火湾産活帆立貝焼き 生姜の香り
    【小鉢】
    ・定山渓大村商店の寄せ豆腐 (器1つで2人分)
    【蒸し物】
    ・千歳玉置農園の有機野菜色々
    ・翠山亭オリジナル胡麻ドレッシング
    【箱物】
    ・出汁巻卵(定山渓佐々木農園の有精卵と美味出汁を使用)
    ・白老産甘塩鱈子
    ・利尻産昆布山葵
    ・焼き海苔
    ・本日の焼魚(サケ)と卸し大根
    ・千歳玉置農園の野菜のおひたし 糸がつお
    【小鉢】
    ・十勝本別町産の大豆黒豆納豆
    【サラダ】
    ・翠山亭倶楽部の手作り腿ハムと季節の有機野菜色々
    【食事】
    ・釜炊き白米orおかゆ
    ・網走産浅利貝の味噌汁
    ・香の物

    デザート
    【食後】
    ・季節のフルーツとヨーグルト

    釜
     白米は釜で供される。

    懐石ダイニング
     食事する場所は個室っぽい感じ。お品書き付。

    通路
     3階懐石ダイニングで、当方指定の8時から食した。

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