札幌から行く 『温泉宿』

    温泉宿 「宿泊」 好きな札幌人。風呂、食事、部屋、もてなし・・・ 「湯宿をめぐる冒険記」 & 「雑多な温泉話」

    ノースピア
     2LDK320万円・・・ バブル期に建設され、投資目的に購入したオーナーが多いから、実際に住んでいる人は少ないらしい。だったら、共有スペースの内風呂も貸切感覚で楽しめるのかな。もちろん、部屋風呂でも四六時中温泉が楽しめる。

     札幌での会社勤めを続けながら、湯使いの良い温泉付不動産に住んじゃうって、おそらくこの物件なのだろうと思う。でも定山渓から街中までのバス通勤がしんどい。冬はダイヤが乱れがちな予感がするし。

     年末年始にかけて休みがとれるから、思い切って内地の温泉宿へ遠征したい。たまったJALマイレージで2人分の往復航空券を手配できるし。そう思って、新千歳⇔羽田で3泊4日のプランを練ってみた。

    新千歳空港
    ・12月23日(木曜)←祝日 お二人様限定 夕食は肉だらけフルコース
    ・12月24日(金曜)←有給 民芸調 白濁した湯 囲炉裏テーブルで夕食
    ・12月25日(土曜)←休み 登録有形文化財

     年末でなにかと忙しい12月24日(金曜)に有給が取れるかな、と躊躇したものの「まあ、なんとかなるんでないの」といつになく楽観的に考え、会社に確認するより先に、飛行機も湯宿もインターネットを介しすべて予約してしまった。つれに報告すると「いやー、楽しみ」と、たいそう喜んでもらった。クリスマスは内地の温泉宿で過ごすのだな、などと年甲斐もなく心が浮き立ったりして。
     ところが、数日後に有給がとれないことが判明してしまった。やっぱり年末は忙しいのだ。いかんともしがたい。つれの喜びは悲しみに変わり、やがて怒りに変貌していった。

     うーん、どうしよう。頭をかきむしったあげく、まずは一旦、このプランを取り消そうと考えた。しかし、JALマイレージによる特典航空券をキャンセルするためには、1人当たり3,000マイルor3,000円の手数料がかかるそう。2人だから2倍だ。行き先の変更は不可能で、乗る日時のみ変更OKだった。
     そこで、飛行機の日程を1月にずらし、旅の日程を2泊3日に縮小した上で、3つ予約していた湯宿のうち、1軒だけキャンセルし(申し訳ありません)、あとの2軒は日程をずらした次第。つれはご機嫌を取り戻してくれたようで、ほっと一安心。

     冬だから悪天候による交通マヒだけには遭遇しないよう、祈っている。

     それにしても、今回の2泊3日旅は、移動に時間がかかり、温泉宿周辺の観光を味わう暇はなさそう。2つの湯宿を泊まり歩き、あとは電車やバスに乗りまくってオシマイ、というのもちょいと寂しい気もするが、あれもこれもと欲張らず、純粋に湯宿を堪能しよう。

     白老町の温泉付住宅を買いたいな、住みたいな。そんなふうに憧れている中、オーナーのご厚意で入浴させてもらった。ありがたや、ありがたや。

    看板
     玄関前に粋なネーミングを拝見。遊び心を感じる。

    ふろ
     普通な家庭風呂とは異なり、湯船が床下に埋没しているタイプが嬉しい。足腰が弱っても、またぐ行為にさほど苦労はいらないからだ。

     それはさておき、湯面は黄色い。ざぶり浸かって湯を味わうと、どことなくモール臭を感じるとともに、肌触りのなめらかさ、そして身体中にまとわりつく泡付に感動しきり。湯温も心地良く、極楽浄土はここにあり、と満足しきりで入浴を終え、温和でおしゃれなオーナーに感謝の念を伝えた。

     オーナーはこの温泉付住宅を拠点に、いろいろ構想を練っているようだ。微力ながら、なにかお手伝いできることがあれば、札幌から馳せ参じたい。

     閑話休題。

     白老町には、昭和40年代に開発された温泉付の分譲地が、広範囲に散見される。温泉付、と一言にいっても、分譲地によって湯質や管理費が異なるわけで、その一覧の資料を少なくとも私は見たことがない。各分譲地のオーナーのご厚意を得て、一つひとつ調べなければ「白老町の温泉付分譲地の全貌」は明らかにならないという現実を感じた次第。

    泊まっていないが・・・

     11月17日(水曜)付の苫小牧民報に、こんなベタ記事を発見した。

     トーヤ温泉ホテル 事業停止 負債4億円超

     記事によると、前日の16日(火曜)付で事業停止し、弁護士に事後処理を一任したとのこと。室蘭民報が翌18日付朝刊で報じており、ホームページで記事紹介しているので、詳細は省く。76室の中規模宿だった。
     この湯宿がある洞爺湖温泉街では、今年1月に旭ホテル(51室)が破産したばかり。「団体客が減って売り上げも落ちた」というのが、廃業理由の共通項だ。

    厳冬ながら快晴の洞爺湖
     この温泉街には現在14の温泉宿が佇み、団体客御用達の大型ホテルと、仕事やライダー系の旅館・民宿に二分されると私感。温泉好きならば、後者の旅館・民宿(かたらぎ荘、美園、ニュー洞爺湖、グリーンホテルetc)に興味しんしんといったところか。その一方、フツーの個人客の食指が動くナイスな宿って、どこかしら。洞爺山水ホテル和風(61室)がこぎれいなのに安い(薄利多売かな)が良いし、大和旅館(18室)のような家族経営で鄙びた風情も捨てがたいとは思う。

     でも、なんというかしら、「遠路はるばる大枚はたき、期待して泊まりたい」という湯宿は・・・ 北海道観光の通過点として「まあ、こんなもんでしょ」の意識で洞爺湖温泉の湯宿に泊まっているお客さん、ずいぶん多いような、そんな思いを抱いている次第。

     洞爺湖そのものの自然はスバラシイと思うが、湖畔に広がる温泉街の風情は極めて俗っぽい。「温泉街」として宿泊客を誘致するならば、各種イベントによる盛り上がりも欠かせないが、個人客が泊まって納得する「ちゃんとした湯宿」の整備が急務と思う。でも、お金のかかる話なのでムツカシイ。

     2年前の2008年夏、サミット(主要国首脳会議・年1回開催)なんてお祭りが洞爺湖界隈であり「TOYAKO」の名が世界に発信され観光の起爆剤になる、なんて本気で考えていた自分がいた。いま思えば浅はか極まりない。翌2009年はイタリアのラクイア、そして2010年はカナダのハンツビルで、それぞれ盛大に開かれたって、みなさん知ってます? 記憶にないのは無学な私だけなのだろうか。



    愛しの「ほくよう」がアレに

     トーヤ温泉ホテルが事業停止した小さな記事は、苫小牧民報の3面に掲載していた。読み終わって周辺の記事に目をやれば、ああ、2面にこんな記事を見つけてしまった。

     民事再生法を申請「ほくよう」経営のホテル北洋閣

     16日付で札幌地裁室蘭支部に民事再生法の適用を申請していた。通常通り、営業を続けていくという。民事再生法って、借金を軽減しつつ経営を立て直す、という意味かと私感。
     記事によれば、48室で負債総額は2億円。役員が未払いの役員報酬を払ってほしいと、会社を相手取って裁判を起こすとともに、その役員が宿の土地建物を競売申請した。会社側はそれを阻止するため、民事再生法を届け出たのが、今回の一連の出来事らしい。

    朝食&入浴1,000円のサービスはスバラシイ
     実は先日、温泉巡りの諸先輩と、この湯宿に泊まったばかり。その段階で、諸先輩から競売にかけられている旨の話を聞いていたのだが、まさか民事再生法を申請するとともに、そこに至るまでの内部事情がこんな感じとは。

     ただし、ほくようの名誉のために記せば、泊まった日の風呂は宿泊客&日帰り客でこったがえしていたし、朝食会場も客がひっきりなしだった。「流行ってますよね」「うん、そうだね」などと、賑わいぶりに安堵した次第。老朽化が進むだけに、日帰り(5~0時)500円、朝食1泊4,950円は良心的。客単価を控えめにしているこの宿を気に入り、白老散策&湯めぐりの拠点として、これまで計5回泊まっている。ぜひ、継続運営してほしいと、これからも微力ながら利用することでエールに代えたい。

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