札幌から行く 『温泉宿』

    温泉宿 「宿泊」 好きな札幌人。風呂、食事、部屋、もてなし・・・ 「湯宿をめぐる冒険記」 & 「雑多な温泉話」

    海苔のりべん
     白飯の上に、のり、おかか、昆布佃煮が敷き詰められ、ど真ん中に梅干が鎮座する。
     おかずは「焼鮭」「玉子焼」「きんぴらごぼう」「海老芋」「人参」「かまぼこ」「赤かぶ」。

    包装
     郡山駅で買い求めた。福豆屋、880円。

     次から、岩内1泊旅へ。

     人口200万人の福島県は、太平洋側から内陸部に向かって「浜通り」「中通り」「会津」の3地域に分かれる。最も内陸にある「会津」の中心都市、会津若松市(13万人)の東山温泉「向瀧」に1泊し、翌朝10時20分にタクシーでJR会津若松駅へ到着した(向瀧は送迎しない。こうやって客がタクシーを利用すれば地元経済が回るから、ナイスなスタンス)。

     2泊3日の山形・福島旅を終え、羽田空港経由で帰札することに。楽しい時間はあっという間に過ぎ去っていく。

    ・会津若松駅11:00→郡山12:15(JR磐越西線)
    ・郡山12:33→東京13:56(東北新幹線)

    掲示板
     タクシーを降りる際、運転手さんが「なんか昨夜の大雪で(JRの)ダイヤが乱れているみたいだから気をつけて」なんて言っていたので、あれれ、と思って駅舎に入ると、やっぱり乱れていた。10時20分を過ぎているのに、8時17分発の鈍行列車がまだ発車していない。

    電車
    きっぷ
     アナウンスで「間もなく(8時17分発の普通列車が)発車します。この後の11時00分発の列車は発車のめどが立っていません」旨を伝えるので、駅舎内でお土産を眺める暇もなく、あわてて乗り込んだ。

    車窓から望む翁島駅
     列車はゆっくり走り、途中の駅で除雪作業のため、しばらく停止。郡山駅到着は12時20分だった。

    東北新幹線
     指定席を予約していた東北新幹線にぎりぎりで間に合い、予定通りに東京駅へ13時56分到着。山手線で浜松町駅、そこからモノレールで羽田空港へ。15時前に到着したため、JAL16時25分を1便早めて、15時25分の飛行機に乗った。新千歳空港17時00分。快速エアポート173号17時19分、札幌駅には17時55分着でフィニッシュ。

     
     会津藩の指定保養所「きつね湯」を明治初頭に引き継ぎ、湯宿として代々経営してきた平田家は、高度経済成長にもバブル景気にも翻弄(ほんろう)されず、歴史ある建物を守り続けている。

     その結果、1996年(平成8年)創設された、国の登録有形文化財に第1号として登録された。登録有形文化財って築50年以上経過している再現が困難な建造物が対象らしい。北海道ではなかなかお目にかかれない、由緒正しそうな木造建築の湯宿はどんな感じかな。


    登録有形文化財の湯宿

    東橋の向こうに佇む向瀧
    玄関内 「アレだよ、アレ、見えたみえた」。タクシーの車窓から初めて目の当たりにする向瀧は、力強いオーラを感じる。

     「やっぱスゴイね」「そうだね、ここ泊まるんだよね」「うんうん、泊まっちゃう泊まっちゃう」。運転手さんが「お客さん、興奮し過ぎですよ。でも、そういうお客さん、結構多いんです」。

     鼻息荒く玄関に入ったのだが、飴色に染まる床や天井の木のぬくもりで心が落ち着き、木を格子になるよう組んでいる「格天井」の品の良さに気づいた。しっとりした和の風情、いいな。
    客室「のぎく」
     ただ古いんじゃなくて、手入れが行き届いている。客室は暖房も効いていてコタツもありつつ、ウォシュレットトイレを完備するなど、寒い冬でも快適性はバツグンだった。ただし、北海道の湯宿における「全館がんがん暖房」に慣れていると、廊下が肌寒いな、と思うのは致し方ない。

     客室で指定した8時から。お品書き付。

    朝食
    ・ほうれん草のかつお掛け
    ・筑前煮
    ・松前漬け
    ・磐梯鱒のせいろ蒸し
    ・山里の風味 ふき味噌
    ・向瀧の温泉玉子 玉三郎
    ・お海苔
    ・お漬物
    ・なめこの味噌汁 田舎味噌仕立て
    ・契約農家直送 会津のまんま コシヒカリ
    ・そば茶プリン

    コーヒー
    ・進駐軍直伝! 煮出し珈琲578円(宿ホームページ経由の予約特典で無料)

    福島民友
     朝、客室出入り口の前に地元紙が配られていた。

    夕食全景
     指定した18時から客室で。「冬の献立」は後出しあり。お品書きには「全部で1時間程かけて提供する」「お料理は手作り!」と案内している。

    客室にて


    のれん
    きつね湯・男性湯口
    温泉分析書 (平成21年10月1日)
    ・会津東山温泉(源泉名 向瀧1号、2号、3号混合泉)
    ・ゆう出地
     →向瀧1号、2号(会津若松市東山町大字湯本字居平119番地1)
     →向瀧3号(同上の番地名が「119番地2」)
    ・泉温56.2度
    ・毎分27.4リットル(自然ゆう出)
    ・知覚的試験 無色澄明無味無臭
    ・pH7.2
    ・成分総計1.828g/kg
    ・ナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物泉(旧・含塩化土類-芒硝泉)

     「源泉100%掛け流し完全放流式。加水無し、加温無し、循環無し」の掲示あり。

     大浴場が2ヵ所(それぞれ男女別)、貸切家族風呂が3ヵ所。夜通し入浴OK。日帰り入浴は受け付けていない。

    外観
     福島県会津若松市の東山温泉に佇む。24室。

    フロント
    土産屋前
    廊下
     番頭さんに荷物を持ってもらい、客室まで案内してもらう。

    牛肉弁当
     山形県産の白米の上に、秘伝のタレで味付けした牛肉煮、糸コン煮。
     おかずは煮物(高野豆腐、ふき、牛蒡土佐煮、昆布煮)、青えんどう豆、漬物(蓮根酢漬け、きゅうり)。

    パッケージ
     販売は新きねや弁当部(製造者・有限会社新杵屋)。東北初の牛肉弁当として1957年(昭和32年)から販売。だから「元祖」を謳う。810円。

     福島駅前から会津若松駅前まで向かう高速バス内で、静かに食した。

     次から、泊まった湯宿を記したい。

     時の宿 すみれに泊まり、11時にチェックアウト。送迎車で20分ほどかけて米沢駅へ。

     キオスクで地元紙「米澤新聞」70円を買い求めた。朝刊4ページ建てで、創刊は1879年(明治12年)というから伝統がある。

    米沢新聞70円
     そう言えば、人口9万人弱の米沢市って「上杉の城下町」として名高く、歴史に疎くても「上杉謙信」「上杉鷹山」の名前は聞いたことがある。今も息づく城下町を歩けば、観光気分も高まっただろうが、限られた時間の都合上、米沢観光は一切せず、今宵の湯宿へ向かった。

    きっぷ
    ・米沢駅11:40→福島駅12:16(JR・山形新幹線)

     フレッシュネスバーガー福島駅店で、ココアとコーヒーを飲んだ。

    高速バス回数券
    ・福島駅東口13:00→若松駅前14:23(高速バス)


    ロンドンタクシー
     福島県の会津若松駅に着いた。ここから市内の東山温泉までバスもあるが、駅前にロンドンタクシーを見つけて、ああ、これに乗りたいな、と。中型で初乗り510円。広田タクシーが運営中。

     会津若松市と言えば、米沢市と同様に歴史が深い。「新撰組」「白虎隊」「野口英世」・・・ 復刻された鶴ケ城もある一方、ソースカツ丼、近くの喜多方ラーメンといった食べ物も興味深いのだが、早くチェックインしてまったりしたく思い、ロンドンタクシーでそのまま今宵の湯宿へ直行するのだった。宿まで2,400円くらい。

     山形県米沢市に「黄木」という老舗肉屋があり、1980年(昭和55年)に「すみれ荘」という湯宿を同市内に開業した。いまいち繁盛していなかった中、創業者の孫に当たる女性が跡を継ぎ、大幅リフォームした上で、2005年(平成17年)に「時の宿 すみれ」としてリニューアルオープン。その結果、人気宿として評判になっているらしい。
     
    ブラウン色の宿
     札幌からわざわざ行ってみたいと思った魅力は「米沢牛フルコースの夕食」だった。母体が肉屋なのだから、きっと美味しい米沢牛を頬張れるはず。A4以上の肉質を用意しているというから、期待も高まる。



    米沢牛フルコース

    前菜刺身スープ煮込み口直し握り
    漬焼酢味噌和えステーキ冷汁茶漬デザート
     夕食を全品振り返ると、やっぱり美味かった。米沢牛を活用した創作懐石料理で、フレンチの料理人が1品1品に「さりげなく米沢牛」を盛っている感じ。脂っぽくなく、口直しの品をところどころに挟み、最後まで飽きさせず食せる。連泊すれば「3泊までは夕食の内容をがらり変えて対応できます」(スタッフ)。連泊でしか味わえない部位やメニューもあり、常連に好評だそう。
     米沢牛フルコース=肉だらけ、とイメージすれば、「ぜんぜん肉のボリュームがないじゃん」と思うかも。がつがつ肉を食らいたければ、街中の「焼肉食べ放題」へ足を運ぼう。

     ロビー横の「酒蔵」に、地元産を中心とするワインや日本酒が置いてあり、気にいったものがあれば、夕食時にオーダーできる。フルコースだけあって、1品ずつ供される。しかも非常にタイミング良く。スタッフがちゃんと目配りしている証しだ。私とつれの器は、形が同じながら色や模様は異なっていて、遊び心というか粋を感じた。メインはステーキ、すき焼き、しゃぶしゃぶの中から、予約時に選べる。

     したたか酔い、ロビーに場所を移して、デザートとコーヒーでフィニッシュ。客室に戻ると21時を少し過ぎていた。18時スタートだから夕食に3時間もかけていたことになる。時間を忘れるほど、のんびり味わってしまった。有名レストランで「米沢牛フルコース20,000円」と言われたら納得してしまいそうな夕食内容はスゴイ。朝食も手を抜いておらず、これで休前日に泊まって1人22,200円は、お得感でいっぱいだった。

    朝食
    ・白米
    ・牛汁
    ・煮物(揚げ、にんじん、昆布、しらたき)
    ・サラダ
    ・生タマゴ
    ・冷ややっこ

    →黒い皿の上の品々
    ・牛おこごり
    ・梅干
    ・たらこ
    ・黒豆(金粉のせ)
    ・煮魚
    ・ほうれん草おひたし
    ・長いも
    ・おろしなめたけ
    ・漬物

    デザート
    ・フルーツのせプリン

    朝食コーヒー
     食後、ロビーで淹れたてコーヒー。

    食事処
    夕食カウンター
     夕食は1階レストランの個室またはカウンターで。指定した18時スタート。
     「すみれの米沢牛懐石2011冬」が1品づつ供される。お品書き付。

    ・生ビール650円~
    ・グラスワイン750円~
    ・ウイスキーシングル900円~
    ・焼酎グラス700円~
    ・純米酒840円~
    ・ウーロン茶500円

     ボトルワインの取り揃えが豊富なほか、焼酎、日本酒、ウイスキーもいろいろ。地元産もある。

     レイアウトの異なる浴室が2ヵ所あり、夜中に男女を入れ替える。そのほか、貸切露天風呂(屋根付)が2ヵ所ある。

    森と風の湯
    温泉分析書(分析年月日) 平成16年11月26日

    ・温泉地名 湯の沢温泉
    ・使用源泉名 林次郎源泉
    ・採水位置 山形県米沢市大字関根湯ノ上沢23128-2
    ・単純温泉(低張性中性低温泉)
    ・26.0度
    ・pH7.5
    ・蒸発残留物380.4mg/kg
    ・溶存物質総量407.1mg/kg

     掲示によると、源泉100%かけ流しの一方、加温、塩素剤による殺菌消毒。
     夜通し入浴OK。日帰り入浴は受け付けていない。

    外観
     米沢駅から送迎車で20分。

    ロビー
     1階ロビーのソファに座り、チェックイン手続き。

    抹茶&菓子
     抹茶と菓子がふるまわれた。

    客室前
     スタッフに荷物を持ってもらい、2階の客室へ。

    苺カスタード
     ホットドッグ専門店の「東京DOG」が提案する「スウィーツドッグ」。いろいろある中で「苺カスタード」300円は、なんとも言えない新食感で、ホットドッグではなく、やっぱりスイーツな感じ。営業時間6:30~22:30。

     紀ノ国屋(きのくにや)と聞くと、本屋さんの「紀伊國屋」を思い出すが、東京では1910年創業の老舗スーパーとして有名らしい。弁当、惣菜、スイーツなどを売っていた。

    30品折り詰め
     高級そうなおかずが詰め込まれている。1,500円。

    30品
     営業時間6:30~22:30。

     東京駅改札内1階のノースコートに「GRANSTA DINING」(グランスタ ダイニング)という、エキナカ・レストラン施設が2010年12月4日にオープンした。築地の老舗寿司屋など16店舗が営業している。各店でテイクアウトできる食事も販売しているので、山形新幹線の車内で食す昼食用に買い求めた。


    せいろうそば弁当600円
    せいろうそば弁当600円
     店名は「江戸せいろう蕎麦」。1880年(明治13年)創業の「かんだやぶそば」の5代目が監修している蕎麦屋だそうで、「外一」と呼ぶそばの割合(そば粉10、つなぎ1)で香りが強く、辛口の汁が新鮮な味わいに感じる。
     注文してから、そばを茹でてくれた。

    パッケージ
     営業時間7:00~22:30(L.O 22:00)

     早朝の札幌は吹雪いていて、朝一番に発車する快速エアポート60号は、遅れ気味に新千歳空港へ着いた。一本遅らせたJRに乗車していたら、羽田行きの飛行機に間に合わなかったかも知れない。

     JAL機は、ほぼ満席。丁寧に挨拶する機長アナウンスに「ここまで長セリフで細かい機長の挨拶は初めて」と新鮮に思う一方、たどたどしい言葉回しにアルバイト初日のファストフード店員を思い起こさせたが、ああそうか、多額すぎる公的資金(税金)投入で経営破たんを免れているから、客人への慣れぬ挨拶をしているのだな、と。これまで誇り高きJALパイロットとして接客なんて考えもしなかっただろう。「実るほど頭(こうべ)を垂れる稲穂かな」の言葉が頭をよぎる。

    【智恵子さんへ】東京にはちゃんと空がありますよ。福島に行ってくるので阿多多羅山の山の上の青い空もチェックしてきますね。【太宰治さんへ】富士は、くるしくないです。でも、冬には、はっきり、よく見えるという指摘は、ホントその通りですね(笑顔)
     松の内明けの羽田空港ロビーから、広がる青空と富士山が見えた。

     東京駅から山形新幹線に乗り、山形県(米沢市)と福島県(会津若松市)の湯宿へそれぞれ1泊、2泊3日の温泉旅へ。年末の東北1人旅は10,000円程度の値ごろ感のある湯宿をチョイスしたが、年明けの今回は雑誌「自遊人」で評価の高い20,000円前後の湯宿を選択。「みんなが良い」という個性あふれる湯宿は果たしてどんな感じなのか、ぜひとも体験したいな。

     山形県の米沢駅前で待っていた送迎車に、同じ新幹線を降りた4組8人が乗り込んだ。いざ、今宵の湯宿へ。


    ・札幌駅06:34→新千歳空港駅07:13(大雪で遅れ、実際は07:30に到着)
    ・新千歳空港07:50→羽田空港09:30(JAL)
    ・羽田空港第1ビル駅09:52→浜松町駅10:17(モノレール)
    ・浜松町駅10:25→東京駅10:31(JR)
    ・東京駅12:08→米沢駅14:19(つばさ137号)

     この旅の経緯はこちら

     旧年中は当ブログにご訪問いただき、誠にありがとうございました。コメント&メールを下さいました方々におかれましては、大変勉強になる情報をいただき、特段の感謝を申し上げます。

     最近、更新を怠っておりますが、昨年末にかけて、十勝岳方面の湯宿でのんびり1泊するとともに、東北の宮城&山形で3泊4日の1人旅をしてきました。ことしに入りましても、山形&福島の湯宿へ足を運ぶ予定を組んでおり、順次、旅日記をまとめたいと思っております。

     みなさま、今年も変わらずいろいろご助言いただければ幸いです。そんなやり取りを通じ、交流が深まれば、嬉しい1年かな、と。今年もよろしくお願いします。

    湯宿から年賀状
     一方、ことしも湯宿から年賀状が届きました。「ホテル山水」「ふる川グループ」「ホテル清さと」です。ありがとうございます。

     「ホテル山水」は、2010年1年間は泊まりに行っていないのですが、年賀状が届きました。丸1年泊まりに行かないと、とたんに年賀状を休止してしまうビジネスライクな湯宿が目につく中、懐の深さを感じます。また泊まりに行きたくなってきました。

     「ホテル清さと」のハガキをみて電話予約&持参すると「宿泊料を15%割引させて頂きます」。これは嬉しい話です。まるでお年玉をいただいたような気分でした。

     ことしも元気に湯宿へ泊まりに行ければ良いのですが、どうなるかは神頼みしかないかな。



    追記 1月3日

    滝の家
     登別温泉の「滝の家」からも年賀状をいただきました。ありがとうございます。

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