札幌から行く 『温泉宿』

    温泉宿 「宿泊」 好きな札幌人。風呂、食事、部屋、もてなし・・・ 「湯宿をめぐる冒険記」 & 「雑多な温泉話」

    外観
     登別温泉のど真ん中にある店。ずっとお土産屋さんと思っていたが、店内で食事できるっぽい。

    さくら
     登別温泉の桜は、花と葉っぱが同時に芽吹くらしい。



    歓迎 親子鬼像。お父さんはワッキーに似ている気がする 御やど 清水屋をチェックアウト後、せっかくなので登別温泉の自然の中を散策することに。

     登別石水亭の前に差し掛かると、ちょうど帰りの客を見送るため、従業員が道路前で一列に並んで手を振っていた。その前を歩き去るのはちょっと恥ずかしいが、仕方ないのでうつむき加減でなんとか突破。

     そして望楼NOGUCHI登別の前を通り過ぎた先に「親子鬼像」が笑顔で出迎えてくれた。

     白濁した硫黄泉を味わえる登別温泉に、湯宿は14軒あるものの、客室数100室以上の大型ホテルが目立つ。だから「団体客がわーきゃー大騒ぎする歓楽型温泉地」なんて、したり顔で思うのも無理からぬところ。でも、よくよく目を凝らせば「オトナが静かに楽しめる湯宿」も少なからず存在している。

     滝乃家望楼NOGUCHI登別といった高級路線はいささか高いので、1万円台の良宿と尋ねられれば、花鐘亭はなや(21室)、滝の家別館 玉乃湯(24室)、そして御やど 清水屋(41室)を推す。例えて言えば、札幌市民が近場で親孝行する際、「ここだったら連れて行っても恥ずかしくない1万円台の湯宿」だ。
     しかし、貴殿の親が「メシはこだわらない。秘湯が何よりも大好き」という年齢の割にニッチな嗜好であれば、登別温泉の湯宿そのものをスルーしちゃった方が、客も湯宿も幸せだろう。


    地道なもてなし 積み重ね

    門構え
    客室
     御やど 清水屋は4年振り2回目の投宿だった。和風でこぎれいな佇まいは変わらず。何より着物姿の仲居さんが、かいがいしく接客してくれる点がスバラシイ。
     チェックイン後すぐの湯上がり後、ロビーで新聞を読んでいたら、「(湯上がりで)暑いところですが、良かったらどうぞ」と、蓋の付いた湯のみ茶碗で熱いお茶を提供してくれた。
     夕食、朝食ともに部屋食ゆえに、仲居さんは客室まで何度も足を運んでくれるから、ポットの湯、お茶っ葉、灰皿はその都度、交換する。
     夕食の際に「以前、お泊まりいただきましたので、板長からサービスです」と、お品書きにない1品をサプライズ提供してくれた。
     こうやって、文字に表せば、たいしたことない印象だが、あちこち泊まった経験から言うと、これってありそうでなかなかない。湯宿の心意気というものは、マスコミ受けするような派手な演出ではなく、こういう地道なもてなしの積み重ねなのだな、と痛感する。

    露天風呂
    風呂
     登別温泉街に佇む温泉銭湯の夢元さざり湯で「1号乙泉」を味わっていれば、こちらの1号乙泉は加水のせいかちょっぴり薄く感じる。でも仄かに硫黄の匂いを感じられるし、適温で長湯できるのは嬉しい。


    割烹料亭の矜持

    夕食
    朝食
     もともとは1942年(昭和17年)に創業した割烹料亭だけに、食にこだわっている。夕食朝食ともに部屋でゆっくり味わおう。

     味わったプランは、平日で通常16,950円のところ、なんと10,000円ジャストで提供していた。ただし、土曜に泊まれば、2,000円アップするので、1人12,000円なり。

     販売元(ネット予約)の、ぐうたび北海道「【大満足1万円】厳選 美味会席膳プラン」は、特典として夕食時に特製銘酒セットがつくというが、生ビール、グラスワイン、ソフトドリンクへのお取替えも可能。おそらく、このプランはゴールデンウィーク明けの閑散期対策としてアピールしていたのであって、通年販売していないようだ。この先、お目にかかれるかどうか分からぬくらい、激安な価格帯と思う。

     12,000円でこのハード、もてなし、食事の内容は、お得すぎて声が出ない。しかしまあ、一度、安すぎるプランで泊まってしまえば、なかなか通常料金で泊まるのは勇気がいるような、そんな老婆心を感じるのは私だけだろうか。

     いずれにしても、通常料金であっても、札幌からオトナ旅or親孝行のためにチョイスする分には、いい感じの湯宿と強調しておく。「大きく外さない湯宿」という意味で。

    朝食
    ・厚焼たまご(器もアツアツ)
    ・サラダ(胡麻ドレッシング)
    ・小松菜と揚げのおひたし
    ・生海苔
    ・うど煮
    ・山葵漬
    ・鮭焼き、塩昆布
    ・いか塩辛
    ・焼き海苔
    ・手作り豆腐(器もアツアツ)
    ・香の物
    ・固形燃料の鍋(ほたて、わかめ、えのき、たけのこ)
    ・白米(おひつ)、味噌汁
    ・オレンジ

     指定した8時から、客室で食す。

    夕食
     指定した18時から、客室で。お品書き付。後出しメニューあり。

    のれん
     男女の浴室設計はぜんぜん異なるが、21時00分~21時30分の清掃時間を経て、男女を入れ替えるので、両方味わえる。

    温泉分析書 平成21年7月28日
    ・源泉名 1号乙泉
    ・湧出地 登別市登別温泉町2398林班マ小班
    ・泉温58.6度 毎分2,720リットル(自然湧出)
    ・pH2.3
    ・知覚的試験 乳白色湯 酸味 硫化水素臭
    ・成分総計1.065g/kg
    ・酸性-含硫黄-アルミニウム-硫酸塩・塩化物温泉(硫化水素型)

     道立保健所シールによれば「4項目のうち該当する項目の表示について確認しました」。加水している。

    外観
     登別温泉の宿にやってきた。

    玄関内
     フロントで立ったまま手続き後、着物姿の仲居さんに今宵の客室まで誘導される。

    ロビー
    バンド
     ロビーには、ジャズを奏でるバンドグループが待機していた。

    休憩室
     こんな休憩処もある。

    渡り廊下の下はクスリサンベツ川
    客室ドア
     客室のドアを開けた。

    (株)カジノ観光
     いつの間にか、オトナ向けの看板が撤去されていた。「昭和が終わった」という感じ。


    【定点観測】
    生き残ったオトナの看板
    オトナな看板の行方
    「オトナな看板」と「サミット」と「私」
    大人の事情

    石狩鮭めし
     いくらがびっしり。きらきら輝いている。

    パッケージ
     「大正12年からのロングセラー駅弁」と胸を張る。1,000円。

     前回と比べ、パッケージに変化が見られる。

    えぞ賞味980円
     今回は登別温泉の老舗宿へ。最寄駅まで行く途中、久し振りにぱくぱく。980円。

    パッケージ
     

     土曜日に泊まると、たいていの湯宿は宿泊客で賑わっている。きっと平日は空いているはず。そのタイミングで泊まれば、どこもかしこも貸し切り状態で良いなあ。

     品行方正に生きていれば、妄想は現実に変わる。休日出勤が続く代わりに平日(金曜)の午後から休みをもらった。「よし、行こう」と、札幌駅13時51分発のすずらん4号に乗り、登別駅で下車。タクシーで民宿500マイル(白老町)にチェックインする。

    太平洋を拝める貸切露天風呂
     これまで掲示されていなかった温泉分析書を発見(以前は手製の簡易なものだった)。

    温泉分析書 平成20年6月19日
    ・源泉名 柏透湯温泉
    ・湧出地 白老町字虎杖浜7番地
    ・46.6度 毎分300リットル(動力揚湯)
    ・無色 澄明 無味 無臭
    ・pH8.4
    ・蒸発残留物1.023g/kg
    ・成分総計1.113g/kg
    ・含硫黄-ナトリウム-塩化物泉

     湯に手を加えていない。ただし、冬期間の露天風呂は、加温することもある。道立保健所シールでは「4項目のうち該当する項目の表示について確認」。

     泊まらないと入浴できない貸切露天風呂にじっくり浸かっていると、細かい気泡がまとわりつき、肌触りはほんのりツルツルする。「あれっ、こんなに良い湯だったんだ」と改めて感動しきり。

     ゴールデンウィーク3泊4日の道東温泉宿を巡る旅は、無事終了。釧路駅16時17分発スーパーおおぞら12号に乗って札幌へ帰るのだが、発車時刻まで1時間以上あるので、和商市場で旅を締めくくることに。

    和商市場出入り口
    釧路の幸
     名物の勝手丼(海産物1,030円+酢飯150円)に加え、身がスカスカだから500円にまけてもらった花咲がに、釧路ソウルフードのザンギ(鳥からあげ)を購入。市場中央の長テーブルを囲み、サッポロクラシックで乾杯する。

     ああ、北海道っていいなあ。(おしまい)

     黄色くてしょっぱい湯。湯口に鼻を近づけたら、タマゴ臭を感じ、肌を撫ぜるとちょっぴりツルツルする。湯の表面にアワアワが浮かび、鮮度の良さがうかがえる。

    あわあわ

    温泉分析書 平成22年6月24日

    ・湿原温泉(源泉名 湿原の湯)
    ・湧出地 鶴居村鶴居東3丁目3番
    ・42.4度 動力揚湯
    ・黄色澄明、弱カン味、無臭
    ・pH8.3
    ・蒸発残留物4.522g/kg
    ・成分総計4.815g/kg
    ・ナトリウム-塩化物温泉

     道立保健所シールによると、湯に一切手を加えていない。

    案内板
     鶴居村の市街地にある。入浴料380円。水曜定休(祝祭日除く)。

    ありそうでない原風景

     山奥に佇む小さな宿。白い湯花の舞う源泉が木製の湯殿に注がれ、開放的な露天風呂もある。夕食は部屋だしだから、持ち込んだ酒をじっくり味わおう。

     ありそうでない、原風景の温泉宿は、雌阿寒岳の山麓にあった。

    宿が霧に覆われる(右は元ユースホステル←日帰り入浴OK)
    渋い
    山のいで湯
    部屋食
     絵になる湯殿が美しい。東北の湯治宿かと錯覚してしまいそう。夕食にグルメを期待しちゃイケナイ。ただし、質素ながらもハートを感じる家庭料理だ。

    1階食事処でくつろぐコロロ&モコ
    背伸びするネコ
     犬と猫に癒される。

     7年振り2回目の投宿。「山のいで湯」という言葉がぴったりの宿と思う。これで7,500円は、懐にも優しい。

    朝食
    ・白米(おひつ)
    ・味噌汁
    ・漬物
    ・わらび、かまぼこ煮物
    ・行者ニンニク、あずきなおひたし
    ・スパゲティーサラダ
    ・生卵(バイキング)
    ・しゃけ焼
    ・味付のり
    ・カップ納豆(バイキング)

     8時から1階食事処で。

    夕食
     指定した18時から客室で。一気出し。

    いい風情
    温泉分析書 平成21年7月17日

    ・雌阿寒温泉(源泉名 野中温泉3号)
    ・43.2度 自然湧出
    ・無色透明 弱苦味 強硫化水素臭
    ・pH5.8
    ・蒸発残留物3.480g/kg
    ・成分総計4.022g/kg
    ・含硫黄-カルシウム・マグネシウム・ナトリウム-硫黄塩・塩化物温泉(硫化水素泉)

     日帰り入浴9~20時、350円。
    右手の建物は「元ユースホステル」
     和室11室の民営国民宿舎。

    玄関前の「顔ハメ」に脱力


    フロント周り


    客室のドアを開ける


    外観
     ランチタイムゆえに小腹が空いてきたものの、つれは腹が減っていないという。ちょうど「COFFEE&RESTAURANT」の看板を見かけたので、飛び込んだ。

    店内
     落ち着いた店内。


    醤油ラーメン700円
    醤油ラーメン700円
     意外と美味しい。

     ブレンドコーヒーは420円だった。

    のれん
     営業時間9~21時まで。500円。

    まりもが浮かぶ
     
    温泉分析書 平成11年2月2日
    ・阿寒湖畔温泉(湧出地 阿寒町阿寒湖温泉1丁目29番7)
    ・61.9度 毎分300リットル(動力揚湯)
    ・pH6.9
    ・蒸発残留物0.556g/kg
    ・成分総計0.754g/kg
    ・単純温泉

     加水することもある。それ以外は手を加えない旨の掲示あり。

    自然探勝路
     和琴共同浴場で湯浴みした後、自然探勝路(2.4キロメートル)を進んで、和琴半島をぐるり一周することに。

    ポンプ小屋?
    オヤツコ地獄
     探勝路のがけ下にポンプ小屋っぽいのが見えたり、野湯っぽい横にベンチがあったりと、刺激的な光景を眺めつつ、オヤツコ地獄に到着。湯気がもくもくで、活発な火山活動を強く感じる。

    長い階段
     小雨が降っているので、だんだん億劫になってきたが、なんとか1時間ほどで歩き切った。

     夏に歩いて、最北に生息するミンミンゼミの鳴き声を聞いてみたい。

    公衆浴場1
     自然探勝路をてくてく歩くと、屈斜路湖畔に公衆浴場が見えてきた。

    脱衣所
    浴室
    透き通っている
     脱衣所も浴室も1つだけ。透明な湯はピリリ熱めだった。

    渋い
     本州の共同浴場を思わせる風情にシビレタ。

    和琴露天風呂
     湯けむりが舞っていなければ、公園の池と間違えていたかも知れない。透明な湯にざぶり浸かり、たくさん浮かぶ藻と戯れた。

    脱衣所
     脱衣所は東屋みたいに見える。

     森の中に佇むペンションは、まるで隠れ家のよう。出迎えてくれた奥様が「きょうは他にお客さんがいませんので、内風呂もお二人でご一緒にどうぞ」。

    ニューウェーブペンション(新しい流れの洋風民宿?)
     基本は洋室ながら、全7室のうち1室だけ和室がある。予約時に選んでおいた和室に通され、旅装を解いた。


    森の中の露天風呂

    温泉成分が堆積
     まずは内湯を味わう。無色透明のナトリウム-炭酸水素塩泉(重曹泉)は、大きな特徴を感じなかったが、内湯の床に温泉成分の堆積が広がる。

     湯量豊富の温泉は、館内の暖房にも活用。廊下もレストランも床があったかく素足で歩く。客室の温風ヒーターも温泉の熱だったりして、なんてエコなのでしょう。

    ここに来る手前に廃車や粗大ごみが点在しているのは目をつぶろう
     宿の玄関を出て50メートル歩くと、白樺林に囲まれたご主人手作りの貸切露天風呂がある。味噌の蔵元から譲り受けた「味噌樽」を加工して、湯船と脱衣所をこしらえた。染みついた味噌の臭いを取り去るために、水を入れては抜くという作業を3年かけて繰り返したという。

     緑に囲まれた味噌樽の風呂に浸かっていると、鳥のさえずりが聞こえてきた。静寂な空気と透き通った湯が、疲れた気持ちをまろやかに熟成させてくれそう。


    屈斜路湖畔で開業19年

     レストランでの夕食は、温和そうなご主人がずっとカウンターに立ち、料理を適時配膳してくれる。客はわれわれしかいないから、いつしかご主人と四方山話に。
     十勝から移り住み、夫婦二人三脚によるペンション経営は「ちょうど昨日(4月29日)でね、開業19年を迎えました」。宿名の由来、源泉の使用状況、周辺の自然環境・・・会話のリードは私たちで、ご主人がニコニコしながら語ってくれる。出しゃばらない控えめな感じが好ましい。

    家庭料理
     和洋折衷の家庭料理は、後出ししてくれるのに感心したが、料理自体は出来たてホヤホヤ、ではなく、既に作って置いたものを温かくして提供してくれるっぽい。

     ふと思う。ペンションって何だろう。国語辞典に「民宿風の小ホテル」と記されているが、ガストホフぱぴりおに泊まってみて、個人的には「洋風の民宿」の思いを強くした。御夫婦による付かず離れずの家庭的なもてなしを受け、静かに湯浴みする。民宿にこれ以上、何かを求めるのは野暮だろう。

     ハイシーズン料金(GW、夏休み)で11,750円だった。通常シーズンであれば平日も休前日も関係なく9,750円になる。1万円を切れば納得できるかも知れない。

     それにしても、宿泊前に予約金(1人3,000円)を振り込んだのは生まれて初めての経験だった。ドタキャンする客が絶えないのだろうか。
     あと、チェックアウト時に奥様が「お客さんの写真撮っても良いですか。記録用なので」と、われわれをパチリと撮影した。顧客管理用に使うのかしら。いやはや、いろんな個性の湯宿があるな。

    朝食
    ・手作りパン(天然酵母&道産小麦「春よこい」)、ジャム、バター
    ・野菜コンソメスープ
    ・温野菜サラダ
    ・玉子とソーセージのオーブン焼き

    森のコーヒー
     森のコーヒーは、豆を挽いた上で落とし立て。

    窓外のバルコニーで鳥に餌付け
     夕食も朝食も1階レストランで。朝食は宿指定の8時00分から。

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