札幌から行く 『温泉宿』

    温泉宿 「宿泊」 好きな札幌人。風呂、食事、部屋、もてなし・・・ 「湯宿をめぐる冒険記」 & 「雑多な温泉話」

    ◆「いつかは銀鱗荘」

    看板も重厚
     「いつかは銀鱗荘だなあ」。札幌に住む温泉宿・宿泊好きの当方にとって、小樽・平磯岬の高台に佇む1軒宿を、そう感じていました。本館和室1人1泊42,150円の「高級温泉宿」は、車で言えば「いつかはクラウン」クラスでしょうか。

    北海道文化財100選の1つ
     ことし(2008年)、築135年というニシン御殿は、北海道の温泉宿でなかなか味わえない木造建築の重厚さがあります。庭の草木の手入れも行き届き、美しいなあ。

    タツノオトシゴ
     館内の意匠1つとっても、当時の職人技がそこかしこに。

    大広間
     75畳の大広間に、大神棚と囲炉裏。ニシンの大漁と漁師たちの安全を祈願していたのでしょう。
     グループで泊まった際、ここで夕食を提供することもあるそう。


    ◆本館客室はリニューアルでこぎれいに

    中庭
     古き良き佇まいをきちんと維持している一方、2006~2007年(平成18~19年)にかけて、耐震補強工事に伴う大規模なリニューアルを行いました。

     その結果、本館にエレベーターが設置され、2階客室(和室3室、洋室2室)は現代風にこぎれいに変身。以前は客室になかったというトイレ・洗面所・冷蔵庫を完備していました。とっても快適なのですが、当方は古めかしい風情の客室を想像していたため、いささか拍子抜け。

     スタッフに聞けば、本館1階の客室4室は手を加えておらず、昔のままの渋い風情を楽しめるみたい。しかし、普段は夕食の別室個室として活用(満室の際は、部屋食対応)しているとのこと。予約時に相談してみるのも良いかも知れません。

    本館和室2階「朝里」から望む小樽の夜景
     ただし、小樽の街並みと海を一望できる客室は、本館2階和室または新館からでないと難しいよう。あと、本館洋室は写真の方角の景色を拝めません。

     さっき知ったのですが、本館特別室2室(温泉内風呂付・105,150円)があると、宿ホームページで拝見。どこにあったのかな。ぜんぜん気づきませんでした(笑)

    ◆オリエンタルな内風呂は、貸し切り状態

    湯口がオリエンタル風
     内風呂はオリエンタルな風情。無色透明な湯は、塩素臭を感じるといえば感じるし、感じないといえば感じないし、特段、気になりませんでした。

    男性露天風呂から日本海を望める
     男性露天風呂から立ち上がって眺める日本海はナイス。真下がJR函館本線で、警笛が聞こえてきます。

     内風呂の浴感はあまり感じませんでしたが、露天の湯はどことなく塩分を感じ、湯上り後も心なしかポカポカ。帰宅後、冷静に湯使いを確認すると、露天の方は循環していないそうなので、それで湯の成分が感じられたのでしょうか。

     それにしても、他の客にほとんど出会わず、貸切状態で入浴を楽しみました。きょうは本館・新館ともに満室のはずです。新館の客室6室(52,650円)、本館&新館の特別室3室(105,150円)は、温泉内風呂付だから、大浴場までわざわざ来ないのでしょうか。

     あと、男女脱衣所前にボイラー室があり、そこに宿スタッフ(青年)が常駐。当方が風呂から上がって脱衣所を出ると、さりげなく浴室へ行っていました。きっと、風呂桶を整頓したり、シャンプーの泡を掃除したり、使用済みバスタオルを片付けたりするのでしょう。さすが、高級温泉宿は手厚い人員配置ですね。


    ◆目にも鮮やかな和食会席

    美味い芸術性を感じる
     夕食は和食会席膳。目にも鮮やかで「納涼」を感じさせる飾りつけ、初めての経験です。洒落ているなあ。
     鉢にクラッシュアイスを敷き詰め、刺身をのせ、笹を挿すという、一見すると簡単と思われるアイデアですが、当方にとっては「コロンブスの卵」でした。

     夕食は「北海道」を意識した内容で、この宿の営業期間(4月~1月)中、基本的には同じメニューだそう。連泊しても、そんなにがらりとは変わらないと聞きます。

    グリル銀鱗荘は、宿泊者に限らず、誰でも普通のレストランとして利用できる
     連泊する方は、宿の隣の「グリル銀鱗荘」で、宿とは別のシェフが織り成すフランス料理を食すと飽きないかも。泊まらなくてもランチ(11時30分~14時)、ディナー(17時~18時30分)OK。値段もランチは2,625円or3,675円、ディナーは3,675円or5,775円。水曜のみフランス料理は休みで、鰊蒲焼重2,100円、小会席弁当3,675円のランチ対応、ディナー休み。

     今時期、金曜土曜限定の温泉入浴付昼会席7,980円(要確認・要予約)というのもあるそう。この日帰りプランを利用すれば、宿泊代の5分の1で済みますね。時間制限があるため、あまりゆっくりできなさそうですが。


    ◆「銀鱗荘」の自負感じるもてなし

     スタッフは男女とも中高年層が中心。そのため、和風旅館らしい、落ち着いた印象を持ちましたし、敷居の高さを感じさせない自然な応対だったと私感です。

     和服に身を包んだ女性スタッフは、つかず離れず温和でいつも笑顔な応対。そう言えば、「女将」っていなかったような気が。担当の仲居さんがあれこれ注文にも応じてくれ、当方は気疲れせず、リラックスできました。半被を着た男性スタッフもてきぱきしつつ、女性スタッフをバックアップする、「頼もしい浜の男」な印象を持ちました。

     すきま風吹く本館の暖房費がかさむため、1~3月は営業休止となるこの宿。その期間、スタッフはスキー場で働いたり、主婦稼業に専念したりとさまざま。そのような雇用条件の中、もてなしの水準を維持できるのですから、教育体制がしっかりしているのでしょうし、「銀鱗荘のスタッフ」という自負もあるのだろうな。

     結局、風呂が良くて、食事が美味しくても、宿スタッフの応対がぞんざいだったら、もうそれだけでダメな宿になってしまいますよね。一方、応対が良ければ、風呂も食事も多少は大目に見るのが人情というもの。
     その点、銀鱗荘のもてなし方は、少なくとも当方にはジャストフィット。それでいて風呂も食事もハードも大満足なのですから(湯使いはさておき)、「ああっ、4万円払って泊まっただけあるなあ」と、にっこり。

     もっとも、当方は温泉のあるなしに関わらず高級宿って、ほとんど宿泊経験がなく、宿泊代の高い宿と言えば、望楼NOGUCHI登別、蔵群(小樽)しか知らないので、全国の評判の高い宿と比べればもてなしのレベルがどうなのか、よく分からないのが正直なところ。
     これまで泊まった10,000円レベルの宿よりは、素晴らしかったとしか言えません。まあ、10,000円と40,000円の宿のもてなしを比べること自体、ナンセンスですが。



    ◆宿泊代にひるまない「考え方」とは(笑)

     また来たい、というのが本音。しかし、値段が(笑)

     当方が泊まった日は、「客室から花火が一望」の情報を知っている道内ナンバー車が多かったのですが、普段は本州、そしてアジアの富裕層が連泊してゴルフを楽しむケースも目立つとか。常連さんの車は、ベンツクラスが「標準」みたい。
     帰り際、紳士チックな男性がブランド物のセカンドバックを小脇に抱え、迎えに来た黒塗りの個人タクシーに乗り込み、宿スタッフが「いってらっしゃいませ」。ああ、実際に連泊している方、いるのだなあ。

    本館和室「朝里」のトイレ窓から望む(笑)望楼
     安く泊まる裏技として、本館洋室1泊朝食付21,150円+グリル銀鱗荘フレンチディナー3,675円=24,835円があるものの、洋室はですね、本館和室に比べればちょいと狭くて眺望もアレかな。

     ちょっと考えたのですが、札幌から道東の湯宿だいいち20,000円に泊まるならば、JR代やレンタカー代を入れれば、1人当たり40,000円は軽く超えますよね。
     これに対し、札幌から銀鱗荘へ行くときは、交通費は1人2,000円かかりません。
     ですから、「旅に伴う総費用」でみると、銀鱗荘の方が安い上、札幌から近くて移動が楽チンというメリットがあります。
     こじつけの感がありますが、こんなふうに考えれば、銀鱗荘の宿泊代にもひるまずに対峙できるかも(笑)

     あと、JALカード特約店なので、カードで支払うとマイルを2倍ゲット。2人分の宿泊代84,300円分のマイル×2倍=1,686マイルは、新千歳→羽田(511マイル)1往復+片道分に相当します。
     かなり魅力的な特典ですが、当方は清算時に某友の会会員カードを提示。現金清算に限り、消費税を抜いた1人40,000円の宿泊代から10%割引となり、1人4,000円×2人分=8,000円引きでした。うーん、金額が大きいと、10%引もあなどれませんね。

     そうそう、宿泊代ですが、平日、休前日、GW、盆、正月すべて一律でした。特に正月は極めて質の高いおせち料理が提供されると聞き、要チェックです。

    早速 情報ありがとうございます。
    大枚出して、よくない訳が無い筈でガチガチの温泉通でも無いので気にはしませんが 笑

    問題は、私の気構え! 多分借りてきた猫状態になって、リフレッシュしに行ったのに
    どうも落ちつかず帰宅して、やっぱり自宅が一番!とかいいそうです
    いっしさんの情報では大丈夫かも?汗

    札幌の近郊でJR、バス、高速でも行けて、日常から離れた宿と考えるとこれもアリかなと、
    けどカローラクラスが落ちつきそうな自分でした。 
    尚 正月の情報はメモしました。

    2008.07.29 23:33 URL | いわ #- [ 編集 ]

    こんばんは。

    そうなんですよね。遠隔地へ行ったらコストはそれなりにかかる。だったら納得できる近場の宿があったら移動コストを転化してその分グレードアップ、というのもアリだと思います。

    で、そこから先はそれこそ価値観の世界で、たとえショボい宿(?)でも「はるばる来つるかな」感に浸るか、旅気分はいまひとつでも近場で相対的にゴージャスに過ごすかは人それぞれ。

    自分はどちらもオーライなのですけど、最近は近場で楽しむのもいいかな、と思っています。何かと時間に追われる昨今、近場だと時間を贅沢に使えますしね。でも近場で大金使うのに抵抗を覚える心理はなぜでしょう!?

    2008.07.29 23:41 URL | ぼらぼら #.VpBeogQ [ 編集 ]

    いわさん、こんばんわです!
    ご指摘通り、高級宿ゆえに、私も「息が詰まったらどうしよう」のネガティブな気持ちを抱きつつ、宿泊したのですが、やはり、そこは高級宿。そんな気持ちにさせない、大らかなもてなしを感じました(笑顔) 1人4万なにがしのお金を払うわけですから、普段より気が大きくなり、仲居さんにあれこれ質問したり注文したりと、我ながら積極的になりました。
    普段使いは「カローラ」で十分ですが、たまには「クラウン」に乗るのも、楽しいですね(笑)

    2008.07.30 22:02 URL | いっち #- [ 編集 ]

    ぼらぼらんさん、ホントそうですよね。
    私は1泊2日という限られた時間で泊りに行くのであれば、遠出して疲れるより、近場でまったりする方が好きですね。ですから、私の場合、銀鱗荘に資本を集中的に投下するのは、抵抗がなかったです(笑)
    もっとも、3~4泊も旅できるのであれば、遠出もしたいのですが(笑)
    しかしながら、やはり、おっしゃるように「近場で大金使うのに抵抗を覚える」気持ちも、胸の内にあります~。遠くに行けばいくほど、「いやー、今回は大いに旅しちゃった~」な気持ちは高まりますからでしょうか。

    2008.07.30 22:03 URL | いっち #- [ 編集 ]

    詳細なレポ、お疲れ様でした。
    いつもながら非常に勉強になりました。
    これはいかねばなるまい!と気を引き締めているところでござます。

    トータルコストを比較すれば近くでゴージャスもありと思う今日この頃ですが、何分「老い先が短い」小生などつい「まだ見ぬ土地へ」という欲求が強くなかなか実現しません。

    明日より信州にこの宿ありと知られた超予約困難宿に行って参ります。たまたまキャンセルが出てゲットしたらしい(友人からのお誘いなので詳細不明^^;)ですが、いちもにも無く飛びついて「仕事ぶん投げ」出撃です(^^ゞ。
    こちらはまた別途ご報告させていただきます。

    2008.08.01 00:06 URL | 駅前旅館 #.vjKhiP6 [ 編集 ]

    駅前旅館さん、宿泊代高いですが、良かったです! お奨めです。
    ニッポン国民の平均寿命が過去最高年齢を更新した昨今、駅前旅館さんが「老い先が短い」とは、とても想像及びませんが(笑)、確かに「見知らぬ街を歩いてみたい」ですし、「どこか遠くへ行きたい」ですよね。それが旅情なのかも知れません。

    わたしの場合、カウチポテト(死語、笑)が好きなせいか、近場の温泉宿でのんびりが性分に合っていると自認しておりますので、銀鱗荘は、また足を運びたいと感じている真夏の夜です。
    信州の宿、どこでしょうか。いいなあ(笑顔)

    2008.08.01 20:47 URL | いっち #- [ 編集 ]












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