札幌から行く 『温泉宿』

    温泉宿 「宿泊」 好きな札幌人。風呂、食事、部屋、もてなし・・・ 「湯宿をめぐる冒険記」 & 「雑多な温泉話」

    山宿 川宿 1軒宿

     ゴールデンウィークゆえに、国道5号は車が数珠つなぎ。ようやく山道(道道573号)に入り、かろやかにハンドルを切るが、どうも、今宵の湯宿が見当たらない。

    野田生川の畔(ほとり)に、湯宿が佇む
     8キロメートルほど走り、「道を間違ったかな」。引き返そうとしたその刹那、「熊嶺荘4k先左折」の看板を発見。案内に従えば、野田生(のだおい)川の畔(ほとり)に、「桜野温泉 熊嶺荘」が見えた。

    看板
     山の中の川沿いに、ぽつり佇む1軒宿。客室数10室のこぎれいな宿で、1991年(平成3年)に改築しているそうだ。1人9,500円の宿泊料である。




    「男性優位」 混浴露天は泊まりで

    混浴露天
     この湯宿の風呂は「男性優位」である。内風呂は女性の方が狭い(まるで家族風呂のよう)、混浴露天風呂へ女性が足を運ぶためには、男性の内風呂を「素っ裸」で通っていかねばならない。

     なお、当方が泊まった日は、21時から2時間ほど、男女内風呂を入れ替えした。これならば、女性も気兼ねなく混浴露天を味わえる。夜間・早朝であれば、風呂に人影はない。夫婦でのんびり混浴三昧をもくろむのであれば、泊まった方が無難だろう。

    男性風呂の析出物
     ナトリウム-塩化物泉(成分総計4.067g/kg)で、湯の感触はやわらかく、析出物を目の当たりにすると、源泉の底力を感じる次第だ。




    夕食「美味し」 意外と手が込む

     部屋で食す夕食は、前菜を含めすべて手作り。中でも「カニ甲羅揚げ」が気に入った。カニ身、玉葱、椎茸、タケノコなどを細かく刻み、カレー粉で味付けしており、一口ほうばれば、しゃきしゃき感とスパイシーさ、そして揚げたての衣のジューシーさが渾然一体となって広がる。ああ、美味し。

    定番の夕食
     「カニ甲羅揚げ」のほか、「名物おぼこ鍋」と「やまべ黄金揚げ」は、1992年(平成4年)に発刊された「北海道名湯・美食の宿39選」(松田忠徳著 北海道新聞社)で紹介されており、これら「宿伝統の料理」は、いずれも秀逸だ。主人が取ってきた山菜料理あり、鮮度の高い刺身あり、身もだえするばかり。

     と、記したが、褒め言葉がいささかオーバーと感じてきた。熊嶺荘の夕食内容を事前に調べず、期待もしていなかったから、「意外と手が込んでるな」と、サプライズしたのだろう。




    湯宿は人なり

     夫婦2人で切り盛りしているため、客室数は10室だが満室にすることはない。山中の1軒宿の客室から野田生川を眺め、せせらぎを聞いていると、世間のしがらみから解き放たれた気分になる。

    川のほとり
     30年前に嫁いできたという女将は、必要以上に笑わないし、過剰に気もつかわない。1オクターブ高い声で挨拶され、ぺこぺこ頭を下げられることが「もてなし」と思っていれば、無愛想に感じるかもしれない。
     「今なら(風呂に)誰もいないから、一緒に入れるよ」「山菜も魚もこの辺で採れたものばかりで、何にもお金かかってないね」。一晩世話になれば、あったかいハートを持った自然体な人であることが分かる。

     湯とメシに満足だな。帰りしな、車を走らせつつ対岸の宿へ目をやると、布団を干している女将の姿が見えた。

     良質な湯宿は、懸命な「人」がいて初めて成り立つ。「湯宿は人なり」。

    >「湯宿は人なり」

    含蓄のあるお言葉、感銘を受けました。

    当方この週末信州一泊に出かけましたが、逆の意味でいっち様にこのお言葉をかみ締めております。
    お湯は最高(独自源泉足元自噴ぬる湯ノミ不可)だったのですが・・・・・。

    2009.06.14 22:25 URL | 駅前旅館 #.vjKhiP6 [ 編集 ]

    道南を巡る旅 旅情を感じることができました。 
    毎年 最低でも一度は訪れる道南参考にしたいと…

    やっとETCも付けることが出来、今年は恩恵の受けられる道央、道南を
    訪れる機会が増えそうです。笑顔

    2009.06.14 23:32 URL | いわ #GYDvwQPg [ 編集 ]

    駅前旅館さん、ありがたきお言葉、嬉しく思っております。
    普段、湯宿へ行く理由は「人ごみを離れ、静かな環境で湯、食事、風情をのんびり味わいたい」なのですが、結局、湯も食事も風情も「人」が作り出しているのですから、宿の方々の良し悪しが、宿の良し悪しになるのでしょうか。
    新緑の信州、憧れます。お湯に胡坐をかいている湯宿は、今一度気を引き締めてほしいと感じました。

    2009.06.15 21:46 URL | いっち #- [ 編集 ]

    いわさん、道南旅めぐり、楽しかったです(笑顔) 道南を精通なされているいわさん、独自の視点の道南旅、期待しております。
    車があると、アクティブにいろいろ行けますね。今回の旅で痛感しております(笑)
    島牧辺りの湯宿もさることながら、江差に開業した1人4万円の湯宿も、値段はさておき、好奇心が高まります(笑顔)

    2009.06.15 21:47 URL | いっち #- [ 編集 ]












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