札幌から行く 『温泉宿』

    温泉宿 「宿泊」 好きな札幌人。風呂、食事、部屋、もてなし・・・ 「湯宿をめぐる冒険記」 & 「雑多な温泉話」

     石川啄木という男は、26歳でこの世を去った。死因は肺結核。東京で亡くなっている。


    売れない天才詩人

     思い起こせば、流浪の人生だった。1886年(明治19年)岩手県生まれ。成績優秀の神童が短歌創作にのめり込み、盛岡中学を中退。18歳で婚約するとともに、上京して作品を発表し「天才詩人」と評されるようになったものの、本が売れない状況に「キレた」のか、自分と新妻の結婚披露宴を自らボイコットする大物ぶりを見せつけた。

     結局、盛岡に新居を構え、20歳で小学校の代用教員の職を得た。長女も生まれ、これから品行方正に生きましょう、と決意した矢先に、同居していた父が失踪。これを契機になにかが吹っ切れたのか、勤め先の小学校でストライキを起こし、クビに。もうめちゃくちゃで一家離散と相成った。

    石川啄木
     そして、石川啄木は新たな人生を求め、はるばる函館へやってきたのだ。21歳だった。


    新天地の函館へ

     尋常小学校の代用教員のかたわら、アルバイトで函館日日という新聞社の記者の仕事も得た。妻子を呼び寄せ、母と妹も同居する形で、これから安定した生活が始まるはずだったが、12,000戸余が焼失した大火事で小学校も新聞社も丸焼けに。
     職を得るため、半年ほどの間に、北門新聞(札幌)、小樽日報(小樽)、釧路新聞(釧路)を渡り歩いたが、上司とケンカしたりして、長続きしなかったみたい。

     「よーし、文学で身を立てよう」と、22歳の時、妻子を函館に残し、上京。若山牧水や与謝野鉄幹にかわいがられながら、東京毎日新聞で小説を連載したり、東京朝日新聞で校正係として働いたり、遊郭界隈の女性とラブラブしちゃったり、それは楽しい単身赴任生活を満喫していたよう。

     その後は、妻子、母、失踪していた父を東京に呼び寄せ、23歳にして大黒柱としての活躍が求められた。ところが25歳の時、慢性腹膜炎で手術を受けたのを契機に体調が思わしくない。母が肺結核で死去し、石川啄木も後を追うように肺結核で息を引き取った。1912年(明治45年)のことだった。

     おおっ、と思うのは、ちょうど妻は妊娠8ヵ月だった点。生まれ変わりのごとく次女を出産している。ただし、翌年、その妻も肺結核で亡くなってしまった。残された長女と次女は、妻の父が育てたが、それぞれ24歳、19歳で、やはり肺を患って天に召されている。


    北海道生活わずか1年

     石川啄木26年の人生の中で、北海道での生活はわずか1年にすぎない。しかも、函館→札幌→小樽→釧路と、根なし草のように放浪していたが、なぜ、墓が函館にあるのか。きっと気に入ったからなのだろうな。函館では宮崎郁世という友人であり良き理解者とも出会っているし。函館で創作した名句も多々あり。

     東海の小島の磯の白砂に われ泣きぬれて 蟹とたはむる

     詩人としてのプライドとナイーブさを併せ持ち、世の中に認められずふらふら生きてきたが、死後に社会的な評価を受けたのはなんとも皮肉だ。いまごろ草葉の陰で喜びつつ、蟹ではなく女性といちゃいちゃ「たはむる」な行為に耽っているかも知れない。生前から大先生扱いされていたら、調子に乗っちゃってもっと破天荒な人生だっただろう。だから石川啄木の人生はこれでいいのだ。なんて私感。

     記念碑とか石碑とか、そういう観光名所へ行く際は、歴史を下調べしていくと妄想が広がって楽しい。

    先日の函館ハーフマラソンで、「啄木小公園」の横を走りましたよ。

    啄木は函館を気に入っていたのではないですかねえ、釧路では地元新聞社に決別の言葉を発していたり(と思うのですが・・・)、合わなかったようですから。間違っていたらごめんなさい。

    私も5年前に函館を1年担当しましたが、未だにその当時の人たちと交流が続いていますし、年に5-6回は函館に行っています。

    もはや函館は私にとって第何番目かの故郷になっています。

    2010.10.13 21:59 URL | のむ #1olHiW.o [ 編集 ]

    のむさん、こんばんはです。
    こちらの公園「小」がつくのですね。ご指摘ありがとうございます~ こっそり直しておきます(笑顔)
    石川啄木、そしてのむさんを虜にする函館! のむさんが故郷と思う理由の一つとして、地元の方々との交流・・・ きっと啄木もそうだったのでしょうね。

    ランニング、マラソンで体をシェイプアップしつつ、晩酌を楽しみ、出張先で駅そばを食す・・・ のむさんのブログを拝見して感想をコメントしようとしたのですが、画像認証を打つ際、私が認証の文字をうまく読み取れず打ち間違えたのか、書き込みできず失礼しております。画像認証の文字が変わったら、再チャレンジします(苦笑)

    2010.10.14 19:03 URL | いっち #- [ 編集 ]












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