札幌から行く 『温泉宿』

    温泉宿 「宿泊」 好きな札幌人。風呂、食事、部屋、もてなし・・・ 「湯宿をめぐる冒険記」 & 「雑多な温泉話」

    看板
     福島市土湯温泉街から、さらに山奥へ入り、アップダウンの激しい細い砂利道を3~4キロメートル進んだずんどまりに1軒宿の不動湯温泉がある。この道程(みちのり)と宿の立地条件って北海道で言えば、朝日温泉(岩内町)に似ていると思った。


    福島市内 山奥の1軒宿

    味わいある外観
    湯治棟
    しぶい 「いやー、鄙びた建物だね」。思わず声を上げた。大正8年(1919年)創業。1~3月の冬期間は休業するという。

     廊下とふすま1枚で隔てた湯治棟もある。泊まったのは本館の客室だったが、客室の位置によっては眺めがイマイチのケースもあるようだ。

     電話予約時にその辺りをスルドク注文したため、角部屋&眺望ナイスの客室に通された(と思う)。

     この日は暑い上、無風状態のため、客室が蒸す。窓を開け放し(網戸あり)扇風機を回してもなかなか涼しくならない。さすがに夜中はひんやりしてきたが。
    客室



    5ヵ所の湯
    常盤の湯
    貸切
    羽衣
    婦人
    露天
     風呂は計5ヶ所。どれも家族風呂プラスアルファなこじんまりした湯舟だ。さまざまなガイドブックで紹介されている「谷間の露天風呂」は長い長い階段を下りた渓流沿いに佇み、秘湯の風情がある。硫黄泉で糸くずのような湯花が浮かぶ一方、湯口が湯舟壁面にあり「プシュー」とジェットバスのように湯を噴出させている。宿スタッフの説明によれば、地元保健所の指導の下、レジオネラ菌対策として2~3年前から循環装置を用い、臭いが気にならない微量の塩素を混入しているそうだ。
     「こんな鄙びた湯宿の、こんな秘湯めいた露天風呂も循環塩素殺菌なのか」。いやはやサプライズだった。これも時代なのか。 



    山宿料理に舌鼓
    夕食
    朝食
     夜も朝も部屋食でのんびり。見た目の派手さはないものの、地の物を生かした手作り感の伝わってくる内容だ。
     夕食で供された「鯉の洗い」は、敷地内の池から水揚げした鯉で、きれいな湧水で育てているため臭みがない。後出しされた「イワナ焼」はアツアツの焼き立てだったのが嬉しい。この手の焼き魚って、人肌のケースが多いから。



    宿の人とよもやま話

     福島市の市街地から1時間程度で、秘湯めいた渋い1軒宿が味わえる。こんなロケーションなのに循環塩素殺菌している点はびっくりしたし、谷間の露天風呂まで往復するのが面倒だったり、常盤の湯の脱衣所でなぜかアンモニア臭がきつかったり、男女共同トイレは緊張するから男女別のトイレに入ったら、鼻がひんまがったり、細かいことを取り上げたらきりがない。

     でも、食事を運んでくれた男性スタッフは質問に感じ良く答えてくれ、つれは気を良くしていた。帰りに宿泊料(1人10,650円)を払おうと玄関脇の帳場(茶の間な風情の和室)に行くと、大女将さん、大旦那さん、そして宿を手伝っているお孫さん(女性)が座っていて、「さあさあ、まず座ってください」。
     精算した後、お話し好きの大女将さんらに宿のことを伺った。東日本大震災で宿は何一つ被害を受けず、棚もひっくり返っていなかったそうだ。「不動湯」というだけあって地盤が固く揺れなかったようだ。お孫さんに「これどうぞ」と、宿名入りの団扇をもらい、3人に見送られながら宿を後にした。

    ラムネ
     前日に泊まった滝川屋(福島県猪苗代町)も、精算時に茶の間みたいな帳場で、宿の人と客がよもやま話に花を咲かせる機会を設けていた。北海道の湯宿でこういう経験はない。なんだか親戚の家に招かれた感覚で、あったかい気持ちになる。福島っていいな。












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