札幌から行く 『温泉宿』

温泉宿 「宿泊」 好きな札幌人。風呂、食事、部屋、もてなし・・・ 「湯宿をめぐる冒険記」 & 「雑多な温泉話」

 夕食を食べ終わり、ごろごろのんびりしていると、おばあちゃんが廊下のふすまをがらっと開け、「あのな、突然お客が来たので隣に通すから」。
 関東から車で弘前城のさくらを見に来た年配4人グループ(夫婦2組)が、飛び込みでやって来たようです。

2部屋利用は、まぼろしに

 「どこも泊まるとこないんだってさ」。おばあちゃんは、写真奥の部屋にあった布団を、写真手前のテーブル横まで素早く移動させ、ふすまを閉じました。

 部屋に荷物を置いたグループは、外食に出かけました。私は少し酔っ払った方が隣室の気配を気にせずに済む(笑)と思い、酒屋に出向きアルコールを買ってきて部屋に戻ると、テーブルの上に、りんごジュースと、りんごが置いてありました。

おみやげ

 おばあちゃんが部屋にやって来て、「これあげるから食べてな」。気を使ってくれたようです。

 隣客が帰ってきて、ふすま越しににぎやか。会話の内容も筒抜けですが、まだ21時なので特段気になりません。「うるさくてごめんな〜」「いえいえ、大丈夫ですよ、どうぞどうぞ」。ふすま越しにコミュニケーション(笑)
 隣は朝が早いらしく、21時40分に消灯。私もひとっ風呂浴びて明かりを消すと、「あらあら、気を使ってもらって〜」「私も眠いのでおやすみなさい」。
 
 すぐ眠りについたかと思えば、目が覚める。こんな感じが続き、やっぱり落ち着かないのかな。隣室の寝息や咳を聞きつつ、そう思っていると、隣室のふすまが開き、私の夢枕にステテコ姿の初老男性が立っています。「なんでしょうか」「あらっ間違えた、失敬」。トイレへ行くのに、廊下のふすまと間違えたみたい。

 生命の危機を感じる「恐さ」を味わいました(苦笑)
 2時過ぎに完全に眠ったようで、朝6時過ぎに目が覚め、ぼんやりしていると、隣のグループは7時過ぎに出て行き、おばあちゃんが布団を片付けました。

 帰宅後つれにこの宿の報告をすると、「ふすまを隔てて見知らぬ人と泊まるのは、やっぱり落ち着かない」と言われました。確かにその通りでした(笑)
 客室に鍵もなく、廊下とはふすま1枚で仕切っています。湯治場と言われる宿に強い魅力を感じる一方、つれと2人で行くならば、こうした造りに対し、どうしても及び腰に。今回1人で泊まってみて、いい経験になりました(笑)

 清算の際、「1泊2,000円でいいから、まけるから」と言われ、ラッキー!と思いつつ、一応大人の態度を見せようと「良いんですか、確か3,800円と聞いていますが」「それなら3,000円で」。おばあちゃんの方が1枚も2枚も上手です(笑)

 この宿、大鰐町ホームページによれば和室6室で、2階にも部屋があるようですが、おばあちゃんに聞くと「上の部屋は狭くて、ここみたいに広くない」とだけ言います。
 隣室のお客以外、他にいたのかなあ、というくらい誰にも会わず。私の部屋は風呂の近くなので、遭遇しても良さそうですが、私の部屋に間違って出前が運ばれてきたので、誰か泊まっていたようです。

 チェックインの時、おばあちゃんに「あんた、飯食べる人か。なんだったら朝飯くらい炊くよ」など、いろいろ気遣ってもらいました(辞退しましたが)。

 おばあちゃんの家に泊めてもらいました。そんな思いです。この宿を拠点に、公衆浴場めぐりや弘前観光を楽しむのも手かな、と。












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